資金調達額は過去最高「ベンチャー投資」の最前線

ソフトバンク10兆円ファンドが国内投資開始か

デジタル化機運の高まりで、ベンチャー企業への投資熱が再び高まっている (デザイン:池田梢)

ベンチャー企業への投資熱が再び高まっている。スタートアップ情報プラットフォーム「INITIAL」によれば、今年1~6月における国内ベンチャーの資金調達総額は3245億円と、前年同期比で26%増え、6カ月では過去最高額を記録した。2020年はコロナ禍の影響で後退したものの、デジタル化の機運が高まり、追い風となっている。

顕著なのが、資金調達の大型化だ。資金調達総額は増える一方で、調達社数は2018年をピークに減少している。起業家に対する投資家の目利きが厳しくなる一方、注目企業には投資マネーが殺到している。

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ユニコーンが続々生まれ、10社を超えた

上半期の話題をさらったのが、人事労務のSaaS(Software as a Service=クラウドで提供するソフトウェア)を手がけるSmartHR(スマートHR)だ。今年6月に156億円の資金調達を発表、推定企業評価額は約1700億円となり、いわゆる「ユニコーン」(評価額10億ドル以上の未上場企業)の仲間入りを果たした。

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昨年1年間で100億円以上の資金調達を実施したのは2社。だが今年は上半期だけでも、スマートHRのほかにスマートニュースやPaidy(ペイディ)など4社に上る。7月以降も、紙やプラスチックの代替新素材を手がけるTBMや、EC(ネット通販)構築支援のヘイが100億円超を調達。大型調達で企業評価額も上がり、国内のユニコーンはすでに10社を超えた。

投資資金の出どころを探ると見えてくるのが、緩和マネーを背景にした海外投資家の存在だ。中でも「クロスオーバー投資家」と呼ばれる、上場企業と未上場企業の両方に投資するファンドが注目を集める。スマートHRの調達に資金を投じた新規5社は、いずれもクロスオーバーの海外ファンドだ。

成長期のベンチャーでは費用が先行し赤字が続く。株式上場後も株価を安定させるため、できれば中長期の成長を重視する投資家を入れたい。ベンチャーの成長段階は企業評価額で分類されるが、上場も視野に入る「レイターステージ」では大規模な資金調達が必要になる。そのため巨額投資ができる彼らの存在は大きい。

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