逆に、「○○さんが納期を守らない」などとその個人の特徴が語られているのに、「ワーキングマザーだから、時間が守れないんだよね」とひとくくりにされてしまうこともあるということです。
あなたがイラつくワーキングマザーも、よくよく見てみると、イラッとする人と、「よくやってるよなぁ」と感心する人に分かれませんか? イラッとさせられる人というのは、ワーキングマザーだから、ではなくて、ワーキングマザーとして制約ができた途端に、個人の課題が浮き彫りになった人、ということです。
自分にできた制約を乗り越えることができず、ほかの人にしわ寄せがいっているのにも気づかないで、「うちの会社はまだまだワーキングマザーにとっては働きにくいわ!」などと声高らかに主張する人たち。「制約ができたから私は特別」と思っているのかもしれませんが、これは仕事ができません、と言っているようなものです。
仕事ができるワーキングマザーたちは、制約から工夫を生み出し、なるだけ周囲に迷惑をかけないように必死にやり繰りして、かえって自分の能力を高めていると思います。「やりにくい」なんて言っているヒマはないくらい、頑張っているはずです。
会社側も、ただ「ちやほや」しているわけではない
そして実は、マネジメントサイドも、こういった女性たちのマネジメントには悩んでいます。企業にとっては、将来的にコストになるリスクがすごく高いからです。あなたには会社がちやほやしている、というふうに見えているかもしれませんが、本当は「扱いに困っている」といったほうが正しいかもしれません。そして、周囲の働く人たちによくない影響が出ているのもわかっているでしょう。
しかしながら、両立社員にとって「働きやすい」職場を作ることは社会的に求められているし、それが女性活躍推進の目玉施策になっている現実もあります。そこにぶら下がる「仕事ができない」「仕事をやろうとしない」ワーキングマザーをどう処遇していくべきか、周囲とのバランスをどうとっていくのか、周囲のモチベーションをどう担保していくのか、頭を抱えているのが実態だと思います。
仕事上での課題がはっきりしているのに、「だって、私には子どもがいて時間がないんだもん」と、開き直って放置する人を見ればイライラさせられるのは当然です。その分の仕事があなたに降りかかってくるのだからなおさらです。あなたの感覚には、とても共感します。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら