別のあるメンバーは、子どもの感染症で数日休んだ後の出社予定日に、「午前中にたまっている家事を片付けてから出社します!」とメールを送ってきて、私はリアルにのけぞりました! 「えええ? 家事で半休?」とパソコンの前で思い切り突っ込んじゃいました(笑)。
一方で、子どもが入院する事態に陥り、病室でPCが使えないからと手書きの企画書を懸命に仕上げ、「どなたかに清書していただけないでしょうか」とファックスしてきたメンバーもいました。それに感動したアシスタントスタッフが「私にやらせてください!」とあっという間に完璧な企画書にしてくれるという、見事な連携が行われたこともありました。
人事のタイミングで「育休から復帰してくる○○さん、お前のところに配属しようと思う」「お前、同じワーキングマザーなんだから、うまくマネジメントできるだろう?」などと言われることがあったのですが、「わお、待ってました!」と諸手を挙げて歓迎したいメンバーもいれば、舌打ちしたくなりながら「えー? またウチの部署ですかぁ? 新人が欲しいって言ったんですけど」と抵抗したくなるメンバーもいました。
日常でもたとえば、「子どもの保育参観があってこの日は休みたい」と申請されたときに、快く「もちろんどうぞ!」と言える人と、「その日のこの業務はちゃんと手配できているの?」などといちいち確認したくなる人がいる。この差は何か?
ずばり、個人差です!(笑)
つまり、ワーキングマザーだから……といった課題ではなく、その人個人の課題であることが多いということです。
「もともと、彼女にはそういう課題があった」と上司
私はこのことに、リクルート時代に組織長たちにしたインタビューを通じて気づきました。ワーキングマザーが配属された組織のマネジャーに話を聞いていて、「困っていること」として出てくることは、「責任感がない」「主体性がない」など普通に仕事で求められていることばかりでした。「それって、働く母になったからそうなってしまった、ということなのでしょうかねぇ」と問うと、大体は「うーん。もともと彼女にはこういう課題があったと思う」という答えが返ってくるのです。
ワーキングマザーが増えてきたと言っても、全体から見ればまだまだ少数。数が少ない分、その特徴を語るとき、うまく傾向がとらえられずに、「たとえば○○さんは、営業で復職して高い目標を達成して……」と個別のケースが引用されることが多く、「○○さんは出産する前もトップセールスだったじゃない」と個人の話で終わることがよくあります。
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