哲学者が語る「人がサイボーグになる」の深い意義 「ゼロ地点に立ち返る」ネオ・ヒューマンの思考
 
ALS患者は「かわいそう」なだけなのか
哲学というのは、哲学書をたくさん読んで知識がたくさんあるだけでは駄目で、実際に既存の価値観を疑い、自分で考え直してはじめて意味があるものだと思っています。世の中の「当たり前」を自らの手で覆し、自らをサイボーグ化したピーターさんは、その意味で哲学者だといえるでしょう。
実際、『ネオ・ヒューマン』では、ALSという難病の問題を「科学技術の発展」という観点から捉え直しています。これはまったく新しい切り口ですね。
私も大学の授業で、ALSを題材にすることがありますが、ALS患者の状態については、これまで「生きる権利」と「福祉」の文脈から語られることが多かったと思います。
ところが、この本には180度違うポジティブさがあります。科学技術を駆使し、自らをサイボーグ化することで、よりよく生きる。そのために自ら社会的な投資をしていくという話になっていて、その投資の恩恵がALSではない人たちにも及ぶという視点も新しいと思います。






 
         
         
        
       
        
       
           
          
         
          
         
          
         
         
         
         
        












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