あなたの手取りを確実に増やす「15の控除」の魅力 知っておくだけで今よりも「税金が安くなる」

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
どうすれば手取りが増えるのか?(写真:CORA/PIXTA)
給与明細に記された「控除」の欄。年末調整や確定申告のとき、今よりもうまく活用すれば、あなたの手取りが増えることはご存知でしょうか? 今よりも手取りを増やす「15の控除」を、公認会計士・税理士の梅田泰宏さんの新刊『「給与明細」のカラクリ』より一部抜粋・再構成してお届けします。

税金用語として使われる「控除」は、ざっくり言うと税金が安くなることであって、税金を算出する前の課税所得から差し引くことのできる「所得控除」と、算出された税金から直接引き去る「税額控除」の2種類があります。

では、もっと突っ込んでおさらいしていきましょう。

知っておきたい「15の控除」

まずは所得控除から。所得控除は次の15種類に細分化されます。

①雑損控除

災害・盗難・横領などの損害を受けた場合に適用される控除で、確定申告が必要です。具体的には、自然現象による災害。震災、風水害、冷害、雪害、落雷などや、人為的な異常によるもの、火災、火薬類の爆発などが相当します。それから、害虫などの生物による異常な災害、たとえば、家がシロアリに食われて駆除したり、スズメバチの巣を除去したりした費用は雑損控除として認められます。盗難や横領といった犯罪も雑損控除に認められます。ただし、詐欺や恐喝の場合には、雑損控除は受けられません。

②医療費控除

1月1日から12月31日までの間に、一定額を超える医療費を支払ったときに所得控除が受けられる制度で、確定申告が必要です。納税者本人と、生計を一にする配偶者やその他の親族が支払った医療費を合算できます。

一定額とは、一般的なサラリーマンの場合10万円。健康保険組合や協会けんぽが支払った部分、個人的に加入している医療保険によって支払った部分は含めない、自己負担の部分だけが対象です。その年の「総所得金額等」が200万円未満の人は、10万円ではなく「総所得金額等」の5%を超える部分が所得控除できます。

あるいは、「セルフメディケーション税制」も活用できます。これは、きちんと健康診断を受けている人に限り、市販薬の購入費用を所得控除できるものです。その1年の間に1万2000円以上の対象医薬品を購入した場合、その金額から1万2000円を差し引いた額を所得控除できるという制度です。こちらも本人だけでなく、「生計を一にする」家族とまとめることができます。通常の医療費控除か、セルフメディケーションの特例かのどちらかの選択になります。

③社会保険料控除

一般的なサラリーマンの場合は、健康保険料、厚生年金保険料、介護保険料、労働保険料(雇用保険と労災保険)の合算が所得控除され、年末調整時に会社が申告します。20歳以上の子どもの年金を親が支払っている場合など、生計を一にする親族が負担すべき社会保険料を支払った場合も合算することができます。

社会保険料控除で忘れられがちなのが、老親の社会保険料を子どもが支払っているケース。とくに75歳の後期高齢者になると、介護保険料を直接本人が支払うことになります。これを子どもが肩代わりしているのに、社会保険料控除の申請を忘れてしまうケースが多いので、年末調整で忘れないようにしましょう。

④小規模企業共済等掛金控除

次の3つの小規模企業共済の掛金などを支払った場合に所得控除が適用されます。年末調整で申告できます。

(1)独立行政法人中小企業基盤整備機構と結んだ共済契約の掛金
(2)企業型確定拠出年金(企業型DC)または、個人型確定拠出年金(iDeCo)の掛金
(3)地方公共団体が実施する、いわゆる心身障害者扶養共済制度の掛金
次ページ知っておきたい控除⑤〜⑨
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事