サッカー男子代表が「メダルを逃した」根本原因 露呈した課題をカタールW杯までに克服できるか

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とはいえ、チーム強化のほうは必ずしもうまくいったとは言えなかった。最たるものが、2019年11月のU−22コロンビア戦(広島)だ。堂安と久保の2枚看板と国内組を融合させて挑んだテストマッチで日本は完敗。一気に暗雲が漂ったのだ。

苦境に追い打ちをかけたのが、2020年1月のAFC・U−23選手権(タイ)での惨敗。東京五輪アジア最終予選を兼ねたこの大会で、サウジアラビアなど中東勢に1勝もできなかった。日本は開催国枠で五輪出場権を持っていたが、本来なら最終予選敗退を強いられていた状況だった。

こうした成績不振に加えて、2022年カタールW杯アジア1次予選序盤戦に挑んでいたA代表の内容のほうも芳しくなかった。それにより、森保監督兼任体制への疑問が噴出。解任論も急浮上した。このまま半年後の東京五輪に突入していたら、1次リーグ突破も怪しかったかもしれない。

コロナ禍の1年を有効活用できた

この直後にコロナのパンデミックが起き、五輪1年延期が決定。代表活動も休止状態に陥ったが、逆に森保体制の代表活動を整理する時間が生まれた。この時期にロンドン五輪4位の指揮官だった関塚隆氏から日本サッカー協会技術委員長の要職を引き継いだ反町康治氏は「1チーム・2カテゴリー」というA代表と五輪代表の位置づけを明確化。両方の活動が重なったときは森保監督がA代表、五輪代表を横内昭展コーチが率いるという方針がハッキリした。

それまでは森保監督が2チームを行ったり来たりしていて、選手の状態を十分にチェックできないことも多かったが、現場を分けた分、代表活動のない時期にしっかりと情報共有しながら強化を進めるというスタイルが確立されていったのである。

2020年は欧州組だけで国際親善試合4試合を行うのが精一杯だったが、2021年に入ってからは3・6月のインターナショナルマッチデー(IMD)にA代表・五輪代表それぞれが活動。双方の底上げを図りながら、7月の東京五輪、9月から始まるカタールW杯最終予選への準備を進めることができた。成果も想像以上で「この調子なら五輪メダルも夢じゃない」という前向きな機運も生まれた。コロナ禍の1年間を有効活用できたのが奏功したと言っていい。

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