サッカー男子代表が「メダルを逃した」根本原因

露呈した課題をカタールW杯までに克服できるか

悔しそうな表情の久保建英ら(写真:時事)

コロナ感染拡大で前代未聞の無観客開催となった東京五輪が8日の閉会式で幕を下ろした。開幕前から五輪中止論が高まり、不穏なムードが漂う中、スタートした世紀の祭典だった。

しかしながら、柔道勢の金メダルラッシュに始まり、新競技・スケートボードの男子ストリートを制した堀米雄斗(XFLAG)ら若い世代の快進撃、13年ぶりに正式競技に復活したソフトボールの五輪連覇、女子バスケットボール日本代表の史上初の銀メダル獲得を目の当たりにし、多くの人々が歓喜に沸いた。

森保監督によるチーム強化の中身

森保一監督率いるサッカー男子・五輪代表(U−24日本代表)もメダル獲得への期待は非常に高かった。が、8月6日の3位決定戦でU−24メキシコ代表に1−3とまさかの敗戦。2012年ロンドン五輪と同じ4位にとどまった。チーム最年少ながらエースと位置付けられた久保建英(レアル・マドリード)が人目をはばからず号泣するなど、選手たちのショックは大きかった。

「金メダル獲得」を大目標に掲げ、森保監督が東京五輪代表の強化をスタートさせたのは、2017年12月。東京五輪出場資格のある1997年1月1日以降生まれの面々を幅広く招集し、ラージグループを形成。底上げを図っていった。2018年8月に自身がA代表監督を兼務すると、東京世代の選手を積極的に引き上げるようになる。

その筆頭が堂安律(PSV)と冨安健洋(ボローニャ)。指揮官はこの時点ですでに欧州で実績を残していた2人を、2019年アジアカップ(UAE)でもロシアワールドカップ(W杯)ベスト16メンバーの吉田麻也(サンプドリア)、長友佑都、酒井宏樹(浦和)ら主力の中に組み込み、大舞台を戦わせた。ここでの傑出した活躍を見せた冨安は一気にA代表へ上り詰めた。堂安のほうは少し停滞感があったものの、戦力には定着していった。

半年後の2019年6月には、18歳になったばかりの久保をA代表デビューさせ、彼や冨安を主軸に据えたチームで南米選手権(ブラジル)を戦った。このときはチリ、ウルグアイ、エクアドルに3戦全敗の屈辱を味わったが、久保が世界トップと互角に渡り合い、三好康児(アントワープ)がウルグアイ相手に2ゴールを挙げるなど、数人がインパクトを残す。

直後に久保はレアルへ移籍。同年夏には三好、前田大然(横浜)も欧州へ赴いた。彼らより前に中山雄太(ズウォレ)と板倉滉(フローニンゲン)も欧州挑戦に踏み切っており、東京世代の海外組が急増したのは間違いない。それが、五輪本番への期待感を高める一因になったのだ。

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