リアル店舗が「ネットに勝つため」の5つの手段 あえて「入場料を取ることで成功した書店」も
読者の中にはネットビジネスをされている人のほうが多いかもしれませんが、本項では窮地に立たされているリアル店舗がネットショップに勝つためには、どんなウリの発信方法があるかについて書きます。
近年、商店街などに代表されるリアル店舗はネットショップに押され、苦境に立たされていると言われています。お客様が来店しても、ショールーム代わりに使われてしまうという悔しいことも。
しかし、リアル店舗にはリアルならではのウリをつくることもできるはずです。たとえば、どんどん閉店が進んでいる街の書店。ネット書店のほうには便利なレコメンドの機能があり、また絶版本も買えるなど、リアル書店には分がなさそうです。ところが一方で、ユニークな取り組みで話題となっている書店も生まれています。
「入場料」を取る書店・文喫
東京・六本木にある「文喫」は、入場料を取る書店です。3万点の書籍を陳列し、お茶やコーヒーはおかわり自由。ここへ、1500円(税別)の料金を払って入店します。もちろん、本を買うのは別料金。このスタイルがウケて、休日には入店待ちが出るほどです(土日祝日は1800円なのですが)。
その他にも、人と人が出会えるイベントを開催し、本を買うだけではない立体的な価値を見出している書店があります。イベントとは、たとえば著者によるセミナー開催やサイン会、読み聞かせ会などです。選書サービスをウリにして、何か月待ちにもなっている北海道の書店もあります。出版パーティを書店で開き、著者や編集者たちが集うことも、もはや当たり前になりました。そもそも、書店とは文化の交流する拠点。こうした場所が廃れてはいけないのです。
それに、ダイレクトに店舗の人と会えることは、大きな価値であると言えます。空間自体の価値を高めて活用しなければ、書店に限らずリアル店舗は勝つことができないでしょう。そうした価値は、次の3つの要素に立脚しています。
・商品力(PB、生鮮品強化、地域ならではの品ぞろえ、顧客の声に対応など)
・体験力(雑貨・調理器具を試せる料理教室、専門家が指導するヨガ教室など)
こうした魅力から発想していけば、ネットショップに勝つ仕組みをつくることは、それほどむずかしくないでしょう。ただ商品を並べて売るだけでは、価格にアドバンテージを持つネットショップが有利です。
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