日本人もやりがち!過度な序列重視の落とし穴 都合の悪い情報が上司の耳に入らない根本理由

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これまた、本書でたびたび登場する、フレッドが抱える問題のひとつだ。チームリーダー、すなわち思考を担う青ワーカーであるフレッドの職務は、彼が決めた作業を実行する仕事(赤ワーク)をメンバーにさせることだ。

赤ワーカーが自ら決めたわけではない作業に取り組ませなければいけないので、フレッドは「強要」を実践することになる。それなら、フレッドとしては、赤ワーカーたちと距離を置いたままでいるほうがいい。彼らのことを深く知るのは避けたほうがいい。

フレッドは日がな一日、こうして自らの人間性を否定し、意思決定者(青ワーカー)という役割に自分を同化させているのだ。毎日がそれでは、落ち込んで帰路につくのも無理はない。

本書で私が提唱する「垣根を越えてつながる」プレーは、そうではなく、他者を気にかけることである。他者が何を考えているのか、どのように感じているのか、個人的な目標は何かを気にかけることだと思えばいい。

権力ある立場から判断を下すのではなく、隣に並んで応援する立場をとるのだ。

「垣根を越えてつながる」4つの方法

「垣根を越えてつながる」プレーの方法は4つある。

1.権力の勾配を小さくする
2.知らないことは知らないと認める
3.弱さを見せる
4.自分が先に信頼する

ここでは、方法1の、「権力の勾配を小さくする」について検討しよう。

権力の勾配の尺度となるものはいろいろある。給与額、オフィスの広さ、絨毯の厚さ、専用の駐車場や食堂といった物理的な区別、特定の会合への参加権、座る位置(いちばん偉い人からの距離)、アシスタントの数と能力の高さ、発言が許される時間、遅刻の許容、つまらない冗談を言ってまわりが笑うかどうかなど。

もっとわかりづらい尺度もある。それは会議の場で多く見受けられ、たとえば、誰が議長を務めるか、誰が議論をまとめるか、誰が行動を割り当てるか、といったことだ。

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