最近「頭がぼんやりする人」に教えたい凄い脳トレ 「認知機能」は遊びながらでも高められる!

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記憶力や注意力、思考力が衰えたように感じることはありませんか?(写真:プラナ /PIXTA)
最近、なんとなく頭がぼんやりして、記憶力や注意力、思考力が衰えたように感じる――。そんな中高年に向けて、遊びながら認知機能を高める本『医者が考案した 記憶力をぐんぐん鍛えるパズル コグトレ』を上梓した宮口幸治氏に、認知機能を高めるトレーニングについて聞いてみました。

ど忘れ、名前が覚えられない……

認知機能とは、記憶、言語理解、注意、知覚、推論・判断といった5つの要素が含まれた「知的機能」を指します。

「言いたいことをど忘れした」「人の名前が覚えられない」「予定を忘れてすっぽかしてしまった」……そんな経験のある方は、認知機能の働きの中でも「記憶」の部分に弱さをもっている可能性があります。

年齢を重ねていくと、どうしても視野は狭くなっていきますし、判断力も衰えていきます。例えば、交通事故の高齢者割合の増加や、高齢者の振り込め詐欺被害などをみれば、納得できることでしょう。

時間内にパパッと処理したり、判断したり、計算したり、記憶したりする能力を「流動性知能」といいますが、これはどうしても年齢とともに衰えていきがちなのです。

でも、まだ可能性はあります。この流動性知能は、年齢を重ねても鍛えることができます。そのためのトレーニングが「コグトレ」です。

コグトレとは、Cognitive(コグニティブ:認知)とTraining(トレーニング)の略称で、現在、小・中学校を中心に多くの教育機関で取り入れられています。ここでは少し、私がコグトレを考案した経緯についてお話しします。

私は2009年から現在まで10年以上、精神科医として少年院に勤務し、非行少年と言われる多くの少年たちと出会ってきました。

その少年たちの印象は、ずばり「困っていた子ども」です。見る力、聞く力、想像する力が弱く、そのせいで簡単な計算もできない、漢字も読めない、周囲を見て適切な行動もとれない……。そんな少年たちの認知機能――注意して見る力・聞く力、想像する力――を高めていきたいと考えたのがきっかけです。

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