もうマスクは不要? 7月のイタリアで見た景色 多様なコロナ禍との付き合い方がそこにあった

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筆者はさまざまなケースを考え、1つの実験を行っていた。それは、イタリア大使館が推奨しなかった抗原検査でOKかどうかを調べることであった。というのも、PCR検査に関する時間的制約が厳しいため、万一、抗原検査の結果しか持参できなかった場合にどうなるのかを知りたかったからだ。

つまり、PCR検査と抗原検査、両方の陰性証明書を発行してもらっており、羽田のチェックインカウンターで係員に見せたのは、抗原検査による陰性証明書であった。そして、それは問題なく受け入れられ、無事イタリア入国を果たすことができた。抗原検査で事足りた、というのが結論だ。

タクシー乗車時にはもちろんマスク着用が義務だ(筆者撮影)

筆者がイタリア出張を決めてから実際に出発する2週間ほどの間に、こういったルールは何回も変わった。しかし、その結果がすぐに外務省やイタリア大使館のウェブサイトに反映されたわけでもなかった。重要なのは、自身で最新の情報をつかむ貪欲さであろう。

事実、何回も(うるさがられるほど)イタリア大使館に問い合わせを行ったのだが、どれも丁寧に対応してくれたことを付け加えておきたい(状況は流動的であるから、筆者の経験はあくまでも参考としていただきたい)。

多様なコロナ禍との付き合い方

さて、再び冒頭のシーンに時計の針を合わせよう。筆者はバカンス客でごった返すローマ・フィウミチーノ空港で大きなショックを受け、クライアントとのミーティングでも目を白黒させていた。

みんなの様子が、2年前の夏とまったく変わらなかったからだ。彼らのコロナ禍との付き合い方は、ワクチン接種や日常の行動様式など、私たち日本人の常識とはかけ離れたものであった。

屋外の盛り上がりの様子はまさに平常へと戻った感じだった(筆者撮影

とはいえ、筆者はイタリアの現状を賛美するつもりはないし、イタリアへの移動を推奨するつもりもないことをご理解いただきたい。こういう多様性が世界には存在することを、読者の皆様と共有したいと筆を執ったというのが正直なところだ。

時間が許すところで、現地の生活様式や、日本への帰国時に思ったことなどを引き続きレポートさせていただきたい。本音を言えば、オリンピックチームの入国と重なる帰国時の方が、旅中ずっと気がかりであったのだ。

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越湖 信一 PRコンサルタント、EKKO PROJECT代表

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えっこ しんいち / Shinichi Ekko

イタリアのモデナ、トリノにおいて幅広い人脈を持つカー・ヒストリアン。前職であるレコード会社ディレクター時代には、世界各国のエンターテインメントビジネスにかかわりながら、ジャーナリスト、マセラティ・クラブ・オブ・ジャパン代表として自動車業界にかかわる。現在はビジネスコンサルタントおよびジャーナリスト活動の母体としてEKKO PROJECTを主宰。クラシックカー鑑定のオーソリティであるイタリアヒストリカセクレタ社の日本窓口も務める。著書に『Maserati Complete Guide』『Giorgetto Giugiaro 世紀のカーデザイナー』『フェラーリ・ランボルギーニ・マセラティ 伝説を生み出すブランディング』などがある。

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