もうマスクは不要? 7月のイタリアで見た景色 多様なコロナ禍との付き合い方がそこにあった

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そして、イタリアが認めた「COVID-19 グリーン証明書」を提出することにより、10日間とされている現地の自主隔離が不要という決断も下された。そうすれば「120時間までの滞在」という制約も関係がなくなり、隔離なしに何日でも滞在が可能となる。

「グリーン証明書」とは耳慣れないが、要は以下の要件のうちどれか1つを満たせばよいということだ。

(1)規定のワクチン接種サイクルの完了から少なくとも14日以上経過したことを示すもの

(2)新型コロナウイルス感染から治癒し、規定の隔離を終了したことを示すもの

(3)イタリア入国前48時間以内に抗原検査またはPCR検査を実施し、陰性だったことを示すもの

筆者のケースで言えば、まだ英文の公式な接種証明書の発行が行われていないため、必然的に3番目の「抗原検査またはPCR検査の結果を用意する」という選択肢しか残されていなかった。

ここで注意すべきことは、イタリア政府はスワブ検体、つまり綿棒による鼻からの採取のみを認めており、唾液からの採取では認められないことだ。また、抗原検査またはPCR検査という点に関しても、注意が必要だ。

入国前の「48時間」リミット

抗原検査は通常、数十分もあれば結果が出るが、PCR検査の場合、24~36時間がかかると言われる。イタリアに入国する48時間前に検査(結果判明ではない)を行わなければならないということは、現地までのフライトが10数時間かかることを考えるとハードルが高い。

イタリア大使館によると、すぐに結果がわかる抗原検査の場合、その検査バリエーションによっては認められない場合があるためPCR検査を勧めるとのことであったから、何とかしなければならない。

PCR検査を受け、英文の証明書を提出する必要があった。この写真は抗原検査のテスター(写真:【IWJ】Image Works Japan / PIXTA)

しかし、よくしたもので、即日に検査結果が判明し、英文の証明書を発行してくれるクリニックがいくつか存在することもわかった。そして、午前9時に浜松町にあるクリニックで検査を受け、夕刻5時頃には証明書を受領。つまり、8時間で結果が出たわけだ。

同日、午後11時羽田発のフライトをパリで乗り継ぎ、17時間かけて翌日午前9時にローマ空港から入国するというスケジュールを想定していたから、テストから30時間後の入国となる。これで48時間というリミットは、余裕でクリアすることができそうだ。

イタリア入国に関して、ワクチン接種証明があれば問題ないが、それがない場合このPCR検査のタイミングが最も難しい点となる。

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