もうマスクは不要? 7月のイタリアで見た景色 多様なコロナ禍との付き合い方がそこにあった

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しかし、バカンスが終わり、学校の再開など人の流れが増えた結果として、9月後半から再び感染率が高まり、移動の禁止などの制限が復活。新たに州単位でホワイト、イエロー、オレンジ、レッドというゾーン別措置が取られることとなった。

最も厳しいレッドでは一切の外出が禁止され、自宅以外を訪問することも許されない。また、生活必需品以外の小売り活動、飲食サービスは認められず、イベント等の開催も規模を問わず禁止という厳しいものだった。

このように地域で規制のレベルを変えたことと、明確な罰則が設けられたことにより、それなりにこのルールは守られていた。つまり、イタリアでは臨機応変に極力経済活動を妨げないように配慮するという方法論をとったのだと言える。

さらに言えば、当地では感染初期において多数の死者が出て、医療崩壊が起こっていた。この事実によって、彼らにコロナウイルスに対する深い恐怖心が植え込まれたという不幸な要因も、これらのルールが遵守された原因かもしれない。

どんな準備をすればイタリアに入れるのか?

今年は、バカンス間近となった6月半ばから。イタリアのコロナ禍に対する新しい動きが出てきた。ワクチン接種がスピードアップし、必要回数の接種が終了した割合は40%ほどとなった。重症者数も減少してきたことで、一気に規制が緩和に向かっていったのだ。

まだ感染者数は落ち着いたとは言えないが、年間で最も人が動くバカンスシーズンに向けて、経済活動の再開へと舵を切ったわけだ。そんな状況の中で、筆者はどのようにイタリアへ入国し、また日本へ帰ってきたのかをお伝えしよう。

前述したように、イタリアへの入国に関しては、制約が順次撤廃されていった。まずは“条件付き入国許可”が、完全に自由なものとなった。これにより、目的を問わず日本人であれば誰でも入国できるようになっている。

居所情報に関するデジタルフォーマット・ウェブサイトのトップページ(画像:EU Digital Passenger Locator Formより)

そして、事前にウェブサイトにアクセスし、デジタルフォーマットによる居所情報の提示義務が課せられた。これには入国時のフライトやシートナンバーなども記載する。

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