親が「ルールを作っても守ってくれない」と言う場合、次の2つの原因のいずれかであることが少なくありません。
②親がルールを守っていない→決めたペナルティーを親が実行しないなど
上記の詳細は別途、『小中学生にスマホを買う親が絶対知るべき基本』で書いていますので、ぜひ参考にしてみてください。
大沢さんのケースはさらに、「勉強したらスマホを渡す」ということを“事前に”ルールとして決めていたのかどうか確認が必要です。ルールにないことをいきなり親から言われて、素直に従う子はまれです。
本来は、子どもが初めてスマホを持つときに「詳細なルール設定」をしておくべきですが、すでに使用してしまっている場合、その段階からでも、ルールを決める必要があります。しかし、途中から急に言われても、子どもが極度に嫌がることがあります。大沢さんの場合、現状を鑑みるとこの方法では難しいかもしれません。
また、仮にルールが守れたからといって、勉強に向かうとは限らないことも知っておく必要があります。
親と子どもの認識の違いを意識しよう
この種の問題は、親子で“問題点が違っている”ことに端を発することも多いです。
・子どもが思う問題点:「自分がやりたいことを優先させてくれない」
つまり、大沢さんが問題だと思っていることは、子どもにとっては問題ではないのです。逆もまたしかりですから、このままでは解決できません。
どちらが正しいということはなく、立場が違うと見方や考え方が大きく異なるのは当たり前です。そこを認識せずにいると、「ちぐはぐ」になってしまうわけです。
子どもがやがて親になる時が来れば、立場が変わります。自分の子どもがスマホやゲームにハマっている状態に直面すると、そこではじめて親の気持ちがわかるようになりますが、そこに至るためには10年、20年と時間がかかります。
「親子で話し合いをしよう」という提案はよくあります。筆者もこの方法を、多くの親御さんに提案してきました。しかし、「話し合い」はお互いが冷静になり、“大人の会話”ができることが前提です。
大沢さん親子のケースはいかがでしょうか。もし冷静な話し合いができるのであれば、この手段をとりますが、これまでの親子のやりとりから判断すると難しいかもしれません。その場合、対等な話し合いは不可能となり、親子の力関係によって決裂する可能性があります。親のほうが強ければ、親が一方的かつ高圧的にやり込め、子どものほうが強ければ、現状を維持し続けることになります。
以上の「ルールの再設定」「時の経過を待つ」「話し合い」という3つの方法が効果を出すこともありますが、大沢さんの場合は難しいかもしれません。
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