アフリカで大成功!先進国発「ユニコーン企業」

既得権益が少なく、最新テックが蛙飛びで浸透

アフリカ全体では年間8億回の輸血機会があり、現状はその半分程度しか提供できていないそうです。出血多量で多くの人が亡くなってしまう。そんな実情があるからこそ、求められているサービスです。

ドローンベンチャーは今や世界中に数千社あるようですが、最も時価総額が高いのがこの会社です。時価総額はすでに15億ドルに達しているそうです。日本の大手商社なども出資しています。

商用物流サービスとして数多く飛行実績を積むことで、ドローンの頭脳はどんどん進化します。これが最大の差別化の要因になり、評価されているのです。この実績を基に全世界に展開していく可能性がある。アフリカは、その実験場になっているのです。

サブスクで使えるモバイル式超音波診断

もう1つ、ご紹介したいのが、こちらもすでにユニコーン企業になっている、アメリカのモバイル式超音波診断機の「Butterfly」です。ハンディタイプの超音波診断機です。最大の特徴はスマホ直結型でクラウドにつなげ、遠隔診療やAI診察が可能なことです。

健康診断などで超音波診断機を使う際は、ドクターや専門技師が直接操作し、その場で診察・診断するのが通常です。Butterflyでは、操作の研修を受けた人が操作をして、そのデータをクラウドにアップします。それを、AIや専門医がチェックし診察ができるのです。本人が操作することもできます。

スマホ直結なので電源がなくても使えます。その場に専門の医師がいなくてもいいので医師の少ないアフリカにはうってつけです。

地方のヘルスセンターや病院、産婦人科の検診や内臓疾患の検診、新型コロナ感染症の検診にも使われ始めています。

従来型の超音波診断機は、1台200万円程度します。ところがButterflyは、その10分の1の2000ドル(約20万円)です。しかも売り切りではなく、クラウド使用料なども含めたサブスクリプションモデルを導入しています。アフリカなどの新興国では、さらに安価な料金で使用できるようにもしているようです。

2019年、アメリカでFDA(米食品医薬品局)の認証を取り、アフリカや中南米などでも展開を始めました。既存製品よりも安価で、しかもサブスクでできる。UI(ユーザーインターフェース)も極めて使いやすくできており、感心させられます。

新しい医療機器のモデルということで、一気にユニコーン企業に躍り出ました。これもまた、医療機器のディスラプティブ(破壊的)イノベーションと言っていいでしょう。

3社ともアフリカでサービスを展開することで、何より大きいのは、ビッグデータの獲得です。AI開発では、学習に必要な教師データとなる実際のデータをいかに多く集められるか、学習させられるかが、極めて重要です。そうでなければ、賢くならないからです。

ドローンベンチャーのZiplineが高い評価を得ているのも、毎日200フライトもの実際の商用飛行をしているから。ドローンの頭脳も、飛ばせば飛ばすほど、賢くなります。どんどんデータを蓄積できる機会を得られることは、大きな強みになるのです。

次ページなぜ、アフリカで本格商用サービスをするのか
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