「ハイエース」のキャンピングカーが売れる理由 日産「キャラバン」との決定的な差はあるのか
コロナ禍の影響下において、業績が悪化している業種が多い一方、依然として市場が拡大しているのがキャンピングカー業界だ。中でもトヨタの商用車「ハイエース」をベースにしたモデルに人気が集まっている。
業界団体の日本RV協会が加盟企業113社(回答107社)を対象に行った調査では、2020年度のキャンピングカー生産台数は7434台。中でも外装をあまり変えず、ベッドやキッチンなどの装備を追加した「バンコン(バンコンバージョンの略)」と呼ばれる仕様は2210台となり、軽自動車ベースを除く全体の比率が37.0%ともっとも高い。
次いで台数が多かったのが外装のキャビン部を大きく変更する「キャブコン(キャブコンバージョンの略)」の1854台。さらに近年は、8ナンバーのキャンピングカー登録をしない仕様も需要が伸びているが、これらいずれのベース車にもハイエースが用いられることが多い。
ハイエース同様の商用ワンボックス車には、日産自動車の「NV350キャラバン」もあるが、ことキャンピングカーのベース車となると、ハイエースが圧倒的なシェアを誇る。ここでは、なぜハイエースのニーズがそこまで高いのか、東京キャンピングカーショー2021(6月12~13日・東京ビッグサイト青海展示棟A)に出展されたモデルや、メーカーのコメントなどをもとに検証してみる。
キャンピングカー専門「フォーシーズ」
千葉県を拠点とし、ハイエースのキャンピングカーを専門に製作販売する「フォーシーズ」のブースでは、新作を含む2台のモデルが展示されていた。いずれも外装にはほとんど手を加えず、内装にキャンプ向け装備を施したハイエースのバンコン仕様だ。
新作の「スマートキャンパー7s Loft(セブンエス ロフト)は、標準ボディ・ロールーフ仕様(4ナンバー車)のスーパーGLをベース車に使った、7人乗りが可能な3列シートを装備したモデルだ。シートは回転式で、対面ダイネットになるほか、フルフラットにすればベッドとしても使える。また、室内後方に2段ベッドを設置することで大人3名、子供1名程度の就寝スペースを確保している。
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