高くても売れる軽キャンピングカー人気の理由 駐車場の確保や利便性から積極的に軽を選ぶ
キャンピングカーの中でも、比較的手頃な価格で新車が購入できるのが軽自動車ベースの「軽キャンピングカー」だ。軽ワンボックス車や軽トラックなどの商用車を改造したモデルが多いが、ベース車両の価格が本格的なキャンピングカーに使われるハイエースなどと比べると格段に安いこともあり、200万円台で購入できる機種も多い。
ところが最近、400万円台や500万円台の軽キャンピングカーに人気が集まっているという。もちろん、価格が高いぶん、リビングやベッド、電子レンジやエアコンなど、本格仕様と遜色がない充実した装備を持つモデルも多い。従来からある安価なモデルでは、車中泊が可能なベッドマットを備えるだけなど簡素な仕様も多かったが、それらと比べると装備面も段違いだといえる。
だが、なぜ車格が小さな軽キャンピングカーをあえて選ぶのだろうか。価格帯でいえば、5ナンバーのミニバンや4ナンバーの商用車をベースとしたキャンピングカーとあまり変わらず、車内の広さによる快適性などは、当然ながら軽自動車ベースでは限界もあるからだ。そこで、多数の最新モデルが展示されたジャパンキャンピングカーショー2021(4月2~4日・幕張メッセ)を取材し、出展メーカーに軽キャンピングカーの需要傾向やトレンド、ユーザー層などを聞いてみた。
M・Y・Sミスティック「レジストロ」
トヨタの軽トラック「ピクシス トラック(ダイハツ・ハイゼットトラックのOEM車)」をベースにした「レジストロ」を展示していたのは、山梨県を拠点にキャンピングカーの製造・販売を手掛けるM・Y・Sミスティックだ。運転席上にまでおよぶオリジナルの大型キャビンを荷台部分に架装したこのモデルは、キャブコン(キャブコンバージョンの略)とよばれる本格的タイプで、価格(税込)は展示車の仕様で506万2750円という豪華なモデルだ。
価格に応じ、当然ながら装備は充実しており、跳ね上げ式ダイネットテーブルやシンク、ポータブル冷蔵庫、遮光カーテンなどにより、快適なキャンプや車中泊が楽しめる。壁や天井にウッドパネルを用いた室内は、まるで丸太小屋の中にいるような雰囲気だ。
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