キャンピングカー3つの最新トレンドを探る 充電、家具、テレワークが新たなキーワード
近年のアウトドアブームにより、キャンピングカーの需要が伸びている。業界団体の日本RV協会が行った会員製造メーカーへの調査によれば、2019年の保有台数(出荷台数と輸入台数の合計から廃棄台数を引いた数)は11万9400台に達した。10年前の2009年が6万8000台であったから増加幅は5万台以上で、とくにブームとなったここ数年は、毎年6000台単位で増加しており、伸び幅は例年になく大きい。
そして需要の伸びは競争も生む。キャンピングカーを所有したい新規ユーザーが増えたこともあり、自社製品の独自性や他社製品との差別化などがより求められてきている。同時に長年にわたり自社製品を購入してくれている、「目が肥えた」常連の顧客を満足させるだけの品質向上も求められる。さらに新規参入企業の存在も、競争を激化させる要因だ。
そんなキャンピングカー業界では、現在、各メーカーがさまざまな取り組みを行い、自社の強みを活かした多様な新製品の開発を進めている。ジャパンキャンピングカーショー2021(4月2~4日・幕張メッセ)では、多岐にわたる新たなニーズに対応した新型モデルが多数展示されたが、その中でもこちらでは、最新のトレンドを取り入れた注目作を紹介しよう。
キーワード01 家電製品を便利に使う「充電システム」
キャンプ場などで快適な居住空間が求められるキャンピングカーでは、近年、家庭用エアコンや電子レンジ、液晶テレビなどの家電製品を搭載したモデルが増えている。特にエアコン搭載はトレンドのひとつで、就寝中はもちろん、日中でも同伴したペットを車内へ残して出かける際の熱中症対策としてニーズが高い。
だが、難点は消費電力が大きいことだ。一般的なキャンピングカーには、室内でくつろいだり、就寝したりしている間でもエンジンを始動させずに電力供給できるように、サブバッテリーが搭載されている。ところが、どんなに大容量タイプを搭載しても、夏場の夜間にエアコンを作動させるなど、使用状況によって翌朝に電力が空になってしまうケースもある。走行すれば充電可能だが、従来の給電システムでは、満充電に10時間以上必要なものがほとんどで、長時間エンジンを始動させなければならなかった。しかし、エンジンを10時間始動し続けることは、排ガスやマナーの問題でキャンプ場では難しい。よって連泊する場合は、日中に長い間の走行が必要だが、それではゆっくりとキャンプを楽しめない。
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