ハワイ「100年以上鎖国中」の個人所有の島の正体 世界各地の「へぇ~」なおもしろ雑学を紹介

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大国の思惑に翻弄されたオーランド諸島。現在も住人はほとんどスウェーデン系だが、フィンランド領であることに変わりはない。

ただし、1921年の国際連盟の裁定で自治権が認められており、フィンランド語とスウェーデン語が公用語とされているフィンランドにあって、スウェーデン語のみを公用語としている。

しかも、オーランド諸島の住民権を得るためには、5年間の居住に加え、十分なスウェーデン語能力が要求される。

住民投票では「現状維持」が過半数

こうした状況ゆえ、フィンランド政府はオーランド諸島のスウェーデンへの復帰を認めているという。しかし、近年の住民投票では現状維持を望む人が半数を超え、オーランド諸島はフィンランドにとどまり続けている。

緑豊かなオーランド諸島(写真:ValerijaP/iStock)

実は、最近の住民たちはフィンランド政府によって与えられている自治権に十分満足している。長らくフィンランド市民として暮らしているうちに、かつての住民たちのようにスウェーデンに戻りたいと思わなくなってきたのである。

もちろん、オーランド諸島の住民の祖国を想う気持ちは失われていない。しかし、現状に大きな不満はなく居心地よく感じている以上、フィンランドからスウェーデンへの復帰はしばらくないと考えられる。

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