ハワイ「100年以上鎖国中」の個人所有の島の正体 世界各地の「へぇ~」なおもしろ雑学を紹介

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日本の県境は複雑な曲線が多い。同じように、ヨーロッパの国境も不規則に曲がっている。こうした境界線は、山や川など自然の地形によって決められたり、領土争いによって決められたりしたものだ。

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一方、アメリカ合衆国を構成する50州の境界線(州境)はキレイな直線が多い。建国当初の拠点であった東部地域には曲がった境界線も多いが、のちに開拓されていった中部や西部の境界線のほとんどが直線になっている。 その50州の境界線のうち、西部にあるアリゾナ州、ニューメキシコ州、コロラド州、ユタ州の4つの州が隣接する場所に、驚くべきスポットが存在する。そこを訪れると、一瞬にして4つの州をまわることができるのだ。

そのスポットの名はフォー・コーナーズ。現地には「フォー・コーナーズ」と記されたモニュメントが立っており、観光スポットとしても知られている。近くにある世界遺産のグランドキャニオンから足を延ばす人も少なくない。

見渡す限りの大平原

地図を見るとわかるように、アメリカ本土の境界線は少しずつ互い違いにズレており、4つの州が交わる場所は北緯37度、西経109度3分のフォー・コーナーズただ1カ所しかない。

フォー・コーナーズにあるプレート(写真:tang90246/iStock)

そこはコロラド高原の中央付近、砂漠地帯の真ん中。遠くにはゴツゴツした岩山が見え、火星を訪れているような錯覚に陥る。現地を訪れると、見渡すかぎりの大平原に圧倒されるが、何もない場所だからこそ、4つの州が交差する境界線を引くことができたともいえる。

また、このあたりはネイティブ・アメリカンのナバホ族が暮らす場所でもあり、先に述べたフォー・コーナーズのモニュメントはナバホ族の自治領が管理している。 グランドキャニオンを観光した際にはフォー・コーナーズにも訪れ、4つの州を瞬時にまわってみてほしい。

ライフサイエンス
らいふさいえんす

幅広いネットワークを生かして、国内外を問わずあらゆる情報を収集し、独自の切り口で書籍を制作する企画編集組織。スパイスのきいた視点には定評があり、生活に根づいた役立ち情報から、経済・地理・歴史・科学といった教養雑学まで、その領域は広い。主な著書に、『読み出したら止まらない! 英語 おもしろ雑学』『関東と関西 ここまで違う! おもしろ雑学』『知れば知るほど面白い 世界の「国旗・国歌・国名」なるほど! 雑学』『ここまでわかった! [図解]恐竜の謎』『見たい、知りたい! 日本の庭園』(以上、三笠書房〈知的生きかた文庫〉)などがある。

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