アウディ「A3/S3」乗ってわかった最新進化の実力 飛び道具はないが手にした瞬間から体になじむ

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3代目アウディ「A3/S3」の徹底試乗で見えてきたのは?(筆者撮影)
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8年ぶりにモデルチェンジを行ったアウディ「A3セダン」と、A3のスポーツモデルでハッチバックボディーの「S3スポーツバック」に試乗した。A3シリーズは今回で3代目を数える。

アウディ・ジャパン広報部によると、同シリーズの販売台数がアウディ内に占める割合は年度により差があるもののおおむね20~30%で安定していて、既存のA3シリーズユーザーが買い換えの際に、上位のアウディシリーズ(A4シリーズ以上の上位車種)へ移行する例も増えているという。

新型A3シリーズの魅力は次の3つ。①デザイン、②電動化パワートレーン、③新しいデジタルHMI(Human Machine Interface(interactionとも呼ぶ)/人と機械の接点)。以下、順を追って説明したい。

一目でアウディとわかる最新デザイン

魅力①/デザイン。一目でアウディとわかる最新のデザイン手法を新型A3シリーズにも採り入れた。それはほかのアウディシリーズと同じく、見えるところ(例/内外デザイン)だけでなく、見えない部分(例/ボディー下部)にまで徹底され、その多くは優れた空力性能と高い実用性能の両立からうかがい知ることができる。

アウディでは現在、EV(電気自動車)を「e-tron」シリーズと命名しバリエーションを増加させている。そのEVには、ご存じのように評価軸の1つとして充電1回当たりの航続可能距離がある。

バッテリー、インバーター、モーターのいわゆる“電動化の三種の神器”と呼ばれる各部の性能を向上させることで航続距離は増えていくが、ロスを減らすという意味でボディーの空力を高めることも重要な要素だ。

一目で見てわかるアウディらしいデザインを踏襲した新型A3(筆者撮影)

一時、空力では空気抵抗係数であるCd値が低いほど優れた空力ボディーであると評されたが、解析・生産技術が進んだ現代では、前面投影面積を可能な限り減らしつつ、安定した走行性能を確保する揚力係数(Cl値)とのバランスを図りながら、電動化車両でも欠かせない排熱や蓄熱などサーマルマネージメントに配慮したボディーが優秀とされる。

アウディでは各モデルで最適なCd値/前面投影面積/Cl値を達成しながら、アウディらしいデザインアイコンを手に入れている。当然、新型A3シリーズもそうだ。

国内外の各車がこぞって採用するLEDライトにしても、「デジタルデイタイムランニングライト」の発光デザインをグレードごとに変化させ、デザイン上のアクセントとした。

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