センターコンソール部分に配置された指で操作する新形状のシフトスイッチにしても、一見すると使いにくそうだがとても実用的だ。誤操作対策も施され、正しく操作するには指でしっかりと小さなレバーを倒したり、引いたりする必要がある。
また、シフト回りがすっきりしたことで、センターパネル下部に配置するスマートフォンなどを置くだけで充電する「ワイヤレスチャージング」(オプション装備)へのアクセスも良好だった。
新型A3シリーズの欧州競合車では、メルセデス・ベンツ「Aクラス・セダン」(372万円~)、同「CLAクーペ」(4ドアで472万円~)、BMW「2シリーズ・グランクーペ」(369万円~)などがある。
新型A3は、アウディが大切にしてきた優雅なデザインと俊敏な走りをベースモデルから実現し、S3シリーズではさらに高い走行性能が実感できる。ここは誰の目から見ても明らかだ。
一方、「アウディ=上質」とする定番イメージからすると、新型A3はそこから外れ、やや実用性に重きが置かれたように筆者には感じられるのだが、その分、A3セダンは329万円~、A3スポーツバックでは310万円~とグッと身近な車両価格を付けている。
オプションを入れると競合車との価格差は縮まる
ただし、このベースグレードに新世代A3シリーズを象徴する、より高機能なLEDライト類(ベーシックなLEDライトは標準装備)やアダプティブ・クルーズ・コントロール(アウディのWebサイトにあるデータインフォメーションでは「アダプティブクルーズアシスト」と命名)、日常走行時の利便性を高めるDレンジなどで停止を一時的に保持するブレーキホールド機構(同「アウディホールドアシスト」)は現時点で、オプション扱いだ。
よって、これらを備えるには「コンビニエンス&アシスタンスパッケージ」(セダンで50万円、ハッチバックで47万円)を発注時に追加する必要があるから競合車との価格差は縮まってくる。このあたり、潜在的なユーザーにはどう映るのか興味津々である。
アウディ哲学が貫かれた内外デザイン、1.0L内燃機関で十分と感じさせる電動化パワートレーン、物理スイッチと融合した新しいデジタルHMIによる運転環境は、新型A3シリーズ最大の魅力。いずれも飛び道具ではないものの、手にした瞬間から体になじむ、そんな特性を今回の取材から感じた。
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