アウディ「A3/S3」乗ってわかった最新進化の実力 飛び道具はないが手にした瞬間から体になじむ

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魅力②/電動化パワートレーン。試乗した「A3セダン・ファーストエディション」(30 TFSI advancedをベースにした特別仕様車で472万円)には、「DLA」型を名乗る直列3気筒1.0L・DOHCターボエンジン+48Vマイルドハイブリッドシステム(13馬力/62N・m)を組み合わせた。駆動方式は前輪駆動のみ。

48Vマイルドハイブリッドシステムでは、前席シート下に格納した小型の専用リチウムイオンバッテリーを2次電池として20㎞/h未満で内燃機関であるエンジンを停止させるアイドリングストップ機構を働かせるほか、40~160㎞/hで最大40秒、エンジンを停止させた惰性走行が可能だ。

48Vマイルドハイブリッドシステムによる電動化は、燃費数値だけでなく走行性能の向上にも大きく貢献する。

スペックは控えめだが実力は十分

とかく小排気量の過給エンジンが苦手とするアイドリング回転から直上の1500回転以下となる低い回転領域でも、オルタネーターが動力源となってベルト駆動でエンジンをアシストするからゆとりが大きい。よって、アクセルの踏み込み量も少ない。

試乗ルートとなった箱根の山道はアップダウンの道路が続くが、登り勾配路を成人男性3人乗車で走らせても、1330kgのボディーを小気味よく走らせる。

出力110馬力/最大トルク200N・mとカタログ上は決してスポーツエンジンではないが、常用する2000~3000回転の間で加速力を決める最大トルク値を発揮し続けるため、登り坂の中間加速でも息切れが少ない。ここも美点だ。

A3の内装(筆者撮影)

試乗は市街地でも行ったが、7速湿式デュアルクラッチトランスミッションである「7速Sトロニック」のギヤ比が日本の道路事情にうまくかみ合い、乗りやすさを助長する。反面、実用エンジンらしく5000回転を超えたあたりからパワーの伸びは衰えるものの、実用領域での走行性能は優秀だ。

ちなみに48Vマイルドハイブリッドシステムを搭載したDLA型エンジンは、日本市場ではほぼ同じタイミングでフォルクスワーゲン「ゴルフ」にも搭載されている。

セダンボディーなのでA3では後席の居住性も確認した。身長170㎝の筆者による検証に限られるが、後席ドアの上部形状が開けているため乗り降りする際、頭の出し入れに気をつかうことなくスッと行えた。また、両足は甲の高いシューズであっても、両足が前席下にしっかり収められる。

細かいところだが、前席シートレール後端部は樹脂カバーで覆われおり、革靴やハイヒールへの配慮も万全。歴代のアウディのセダンはスタイリッシュだが新型A3も同様で、見た目以上に実用性が高い。

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