日本一「リッチ」な村の手厚いコロナ支援の中身 水道基本料金免除、高齢者に商品券1万円…

拡大
縮小
東海インターチェンジと名港潮見インターチェンジ、飛島インターチェンジの間にかかる名港トリトン(写真:yako/PIXTA)

このままだと数年以内に財政破綻(企業でいう倒産)の恐れがある──。5月下旬、京都市の深刻な財政状況が公表され、注目を集めた。

地方の過疎自治体だけでなく、全国に20ある政令市をみても財政状況(各種指標)が京都に近い、あるいはより深刻な市がいくつもある。コロナ禍の影響で自治体の財政負担が増すなか、いつ「倒産」する自治体が出てきてもおかしくない。自治体の財政が危機的状況になれば、住民サービスの低下に直結するだけに、京都市のケースは決してひとごとではない。

一方で、税収に恵まれ財政に余裕がある自治体も少数ながら存在している。全国1700以上ある地方自治体の中で、唯一、財政力指数(地方公共団体の財政力を示す指数、全国市町村平均は0.51)が2.0を上回り、「日本一リッチな村」として有名なのが、愛知県西南部にある飛島村だ。人口は4777人(6月1日現在)で、面積は約22.42㎢しかない。「小さくてもキラリと光る村」を標榜している。

「飛島村」ってどんな村?

日光川を挟んで名古屋市に隣接し、北部の農村地帯と南部の臨海工業地帯の2つの顔を持つ。臨海工業地帯は名古屋港の物流拠点となっていて、輸送関連、倉庫、木材関連、鉄鋼関連などの事業所や火力発電所が存在。そのほか、トヨタ自動車の物流センター、三菱重工名古屋航空宇宙システム製作所の工場、UCC上島珈琲の名古屋工場などがある。この臨海工業地帯の存在が同村の豊かな財政を支えているわけだ。

次ページ飛島村の手厚い「コロナ支援策」
関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT