過去最高の活況「ふるさと納税」の新たな課題

最新!実質住民税「流出額」ランキング

各自治体は厳しい競争にさらされる中、返礼品に創意工夫を凝らす(記者撮影)

ふるさと納税が空前の活況を呈している。

ポータルサイト最大手の「ふるさとチョイス」を運営するトラストバンクによると、直近までの利用状況から、2020年度のふるさと納税全体の金額は6000億円を突破する見込みという。過去最高だった2018年度の5127億円を大幅に上回る勢いだ。

要因は新型コロナウイルスの感染拡大だ。人々が外出を控え、自宅で過ごす時間が増えたことがプラスに作用した。ふるさと納税はオンライン上で寄付を申し込むことができる。返礼品は自宅に送られてくることもあり、インターネット通販と同じ感覚で使う人も多い。

ポータルサイト大手「さとふる」の青木大介COOは「コロナ前から雨の日は利用が増える傾向にあった」と話す。在宅時間が増えたユーザーの利用により、さとふるでは4月の寄付額が前年同月比で約80%伸びたという。

返礼品のお得感が増した

コロナ禍による変化もあった。同じ寄付額に対して、より多くの返礼品がもらえる事例が相次いだのだ。たとえば1㎏の牛肉が返礼品としてもらえる場合、これまで2万円の寄付が必要だったものが、1万円の寄付でもらえるという具合だ。

ふるさと納税の返礼品については2019年6月に法律が施行され「寄付額に対する返礼品の割合は3割以下」などと定められている。その制約下でこうした変化が起きたのには、農林水産省が生産者の経営維持のため、返礼品調達費の半額を補助していることが大きい。

加えて、コロナ禍による飲食店需要の低迷により、肉類や水産物などの市場価格が低下したことも返礼品の調達額を低下させた。調達費が安く済んだことで、寄付額の3割以内でより多量の返礼品を用意できたというわけだ。ポータルサイトが「生産者支援」を前面に打ち出したことも功を奏し、ふるさと納税の利用が大きく伸びた。

コロナ対策を掲げる自治体への寄付の実入りが多くなることを意図して、「返礼品なし」の寄付も増加した。ふるさとチョイスでは3~10月の間に、前年同期比で「返礼品なし」の件数が約2倍になったという。

寄付金の使い道に関しても、「医療・福祉への支援」を選ぶ寄付者が増えた。ふるさとチョイスの場合、2019年は医療関連は6番目程度だったが、2020年は最多となっているもようだ。

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