中学受験しない子が「将来不利にならない」勉強法 何の対策もしないと進学塾組との差は開く一方
思考力や判断力を重視する新しい大学入試傾向でも、それ以前と同等以上に重視されるのが「読解力」です。
最難関レベルの進学校では、そのまま大学入試に使われてもおかしくない国語の問題が出題されることも珍しくありません。国語にかぎらずすべての科目において、読解力は難関大学受験に向けた学習の前提となる非常に重要な能力だからでしょう。
もちろん、これは中学受験をしない場合でも同様です。読解力が不十分だと、いずれ数学や英語の学習でつまずいてしまうことになります。これが、読解力については、難関中学に受かるような子たちに近いレベルでの学習をしておくべきだと考える理由です。
目標としては、「文章読解・作成能力検定」(文章検、日本漢字能力検定協会)がおすすめです。公立中高一貫校の入試だけでなく、新傾向の高校入試問題にもぴったり傾向が合っています。
また、一口に読解力といっても、いくつかの要素があります。
一つは語彙力や話題に関するものなどの知識面。知らない言葉だらけだと、文章そのものが何を言っているのかよくわからないでしょうし、「自然・環境」や「文化の違い」など、頻出のテーマに関してのいわゆる「背景知識」が足りないと、読むのに時間がかかりすぎて、国語のテストを最後まで解けないということになりがちです。
中学受験「しない」メリットも
もう一つ大きいのが、文章の読み方。学習に必要となる、客観的に「文章の構造」をつかむような読み方は、日常生活ではありがちな感情移入して物語を読むような読み方、あるいは必要な情報だけを探してざっと見るような読み方とは大きく性質が異なります。
そのため、文章全体をしっかり理解するための練習も、ぜひしておいたほうがいいでしょう。
そのための素材としておすすめなのが、中学生向けの理科・社会の参考書や、『岩波ジュニア新書』『ちくまプリマー新書』といった読み物です。
難関中学を目指す場合、算数や理科・社会にも多大な時間と労力を割かなければならないので、なかなか読む時間をとるのは難しいでしょうから、これらを扱えるのは中学受験を選択しない組の大きなメリットとも言えると思います。