部下との面談は「年に最低3回1時間」がいい理由 不満解消されなくても「話をしっかり聞く」効果
私の将来の目標は地域のリソースを生かしてブランディングし、魅力ある地域を作ることです。そのためには、事業を興せる経営者としての目線で働くことが必要だと考え、事業会社の総合職に絞って企業を選んでいます。
しかし、経営者としての生き方に興味を持ったのがつい最近で、しかも地球惑星科学専攻で経済・経営の勉強などいっさいしたことのない私には、まず何を勉強するべきなのか、見当がつきません。
出口さんの考える「経営」とは、どのようなものでしょうか?
また、それを実践するために必要な知識・スキルは、どのように身につけられましたか?
経営書よりも「人・本・旅」
世の中には、経営者に必要な資質や条件について書かれた本が星の数ほどあります。ビジネス書の大半がそうであるといっても過言ではありません。
しかし、実は僕はそういった類いの本は、ほとんど読んだことがないのです。書店で手には取るのですが、最初の10ページを真剣に読んでもさほど面白くないので、買わずに棚に戻します。
人間は1人では何もできませんから、経営とは要は「人を使うこと」、人に喜んで働いてもらうことです。そのためにはまず、人間とはどんな生き物なのか、人間が作る社会とはどんなものなのかを知らなければ、いくら経営のテクニックや技術論を学んだところで、そんな知識だけではあまり役には立たないと思うのです。
あなたはまだ学生ですので、経営者を目指すのであれば、まずたくさんの人に会い、たくさんの本を読み、たくさんいろいろなところに旅をして、「人・本・旅」で人間とその社会を探求してください。その中で、どうすれば人が喜んでついてくるのかなどという経営の本質を学べばいい。
むしろ経営書ではなく、文学や歴史上の人物の伝記などの中からより多くのことが学べるという事実に、自然と気がつくと思います。
あなたが地球惑星科学専攻だということは、とても素晴らしいことだと思います。世界のグローバルな経営者は、もちろんMBAや経済学などの資格も持っていますが、それとは別にダブルマスター、ダブルドクターということで、宇宙論や文学、歴史や哲学といった分野の資格を持つ人が大半です。
ですから、あなたがこれまで「経済、経営の勉強などいっさいしたことがない」というのは、むしろメリットだと考えてもいいと思います。
自分の興味のある分野から「人・本・旅」でいろいろな勉強をして、まず人間や人間が作る社会についての洞察力を身につけてください。
まだ24歳ですから、好きなことに熱中すればいいと思います。経営学を勉強しようと思えば、たとえば30歳ぐらいになってからMBA取得を目指す、という手もあります。それで遅すぎるということは、決してありません。
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