(第33回)【変わる人事編】1990年代までの学生といまの学生、人材劣化に対応して変化する人事戦略

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●定番の1位「人材の確保(採用)」がリーマンショック後に重要課題の3位に後退

最も重要な人事課題
※日本生産性本部【2009年度「人事部門が抱える課題とその取り組み」に関するアンケートの調査結果】より
 日本生産性本部の調査結果でもう一つ興味深いデータがある。統計調査のデータは1年単位で大きく変動することは少ないが、この調査では「最も重要な人事課題」で大きな変化が起きている。2008年度の調査は1位「優秀な人材の確保・定着」(52企業)、2位「従業員の能力開発・キャリア開発」(44企業)、3位「次世代幹部候補の育成」(30企業)だった。日本の戦後産業史はいつも労働力不足であり、つねに「人材確保(採用)」は人事の最重要課題だった。2位の「能力開発」も定番の順位だ。

 ところが2009年度は、1位「次世代幹部候補の育成」(29企業)、2位「従業員の能力開発・キャリア開発」(26企業)、3位「優秀な人材の確保・定着」(24企業)と変化した。なんと「人材確保」が3位に後退した。そして1位と2位は従業員の能力を上げ、幹部候補として育成したいというものだ。2008年度から2009年度にかけて起こったのはリーマンショック。その影響が企業の思考法に出たと考えてもいいだろう。採用万能主義から育成主義へのシフトとも読み取れる。

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