普通の食材で「究極ハンバーグ」手間なく作るコツ ポイントは「牛乳」と「玉ねぎをすりおろす」
③肉はよく捏ねるべきか、捏ねるべきでないか問題
ハンバーグづくりは「肉をよく捏ねるべき派」と「あまり捏ねない派」に分かれます。肉に塩を加えて捏ねるとミオシンというタンパク質が溶け出し、これに火を通すと凝固し、ゲルの網目構造をつくります。つまり、肉を捏ねる目的は内部に抱え込む肉汁を増やし、ジューシーな仕上がりにするためです。
デメリットは肉を捏ねると挽き肉の粒感がなくなり、いわゆる「肉らしい風味」が弱くなること。手で捏ねる場合は特にこの傾向が顕著で、肉らしさが弱くなって、すり身のような食感になってしまいます。
また、網目構造は保水性を向上させますが、強くなりすぎると加熱したときに縮んで、ちょうどスポンジを絞るように肉汁が流出してしまうので、食感がかたくなります。前著(『定番の“当たり前”を見直す新しい料理の教科書』)ではこれを嫌い「肉はあまり捏ねないほうがいいですよ」という趣旨のことを書きました。とはいえ、肉を捏ねたほうが成形しやすいですし、食べたときに「バラバラにならない」というメリットも。
解決策として肉だねの半分だけをよく捏ねることにしました。肉の結着力を上げるためには低温も重要な要素なので、温度を上げないために冷凍庫で肉(とボウル)をよく冷やしておきます。利き手で握りしめるようにして、半分の肉を捏ね、最後にもう半分をさっくりと混ぜます。これはいわば捏ねる派と捏ねない派のいいとこ取り。挽き肉の粒を滑らかな肉だねが包み込むことで、成形もしやすくなります。
真ん中はへこませない
2人前の分量なので2等分にしますが、1個の重さは140g前後です。このとき、できるだけ表面を滑らかにすることで、焼いている最中に割れることを防ぎ、ミオシンの膜によって肉汁を閉じ込められる効果もあります。
真ん中はへこませません。へこませるとその部分だけ焼き色がつかなくなり、おいしさが落ちるからです。
ハンバーグは意外と火が通りづらい料理なので、じっくりと焼きます。かといって最初から最後まで弱火で焼くと完全に火が通るまでに水分が蒸発し、パサパサになってしまうので、はじめは中火で焦げ目をつけて、片面を焼いたら、裏返して弱火で蒸し焼きにするのがコツです。
最後の酒はダメ押しの加熱です。ハンバーグは多少焦げても問題なく食べられるので、見た目に影響する表面になる部分の焼き色だけきれいにつけたら後はじっくりと焼きましょう。
しょうゆを使ったきのこのソースは肉の味を引き立てるグルタミン酸やグアニル酸のうま味がたっぷり。ご飯にあわせるためにちょっと塩気を濃い目にしたので、好みでしょうゆを加減し、味が濃いな、と思ったら大根おろしを添えるとバランスがとれます。基本的に材料さえそろえておけば一気呵成に仕上がるので、手間もかかりません。
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