普通の食材で「究極ハンバーグ」手間なく作るコツ ポイントは「牛乳」と「玉ねぎをすりおろす」
牛乳を含ませることでやわらかな食感に
①かたい問題の解決
かたい、という問題を解決するためには2つの方法があります。1つはいわゆる「つなぎ」を増やすこと。タンパク質と違って加熱しても収縮しないパン粉などのつなぎはやわらかさを保つことに貢献します。あるいは卵を加えても、卵は肉ほど強く収縮せず、さらには水分を抱え込むので、やはりやわらかさを保つことに貢献するでしょう。
しかし、つなぎを増やすと単純に肉の味が薄くなりますし、挽き肉200gの場合の卵の量の目安は1/2個なので「残った卵はどうするんだ!」という問題がでてきます。
僕のハンバーグレシピの基本の考え方は「卵を入れない」というものです。理由としてはハンバーグをつくる際の失敗パターンとして「肉だねがやわらかくなりすぎて成形できない」というケースがありますが、これは卵白の量が多すぎたことが原因だから。
ほかに卵を入れると「卵黄に含まれるレシチンが脂肪分を乳化させ、口当たりよくまろやかになる」という主張もありますが、乳化状態は加熱すれば壊れるので効果は疑わしいところです。
肉同士を決着させているのは「肉のタンパク質」
「卵がつなぎになってバラバラの挽き肉をつなげる」という意見もありますが、肉同土を結着させているのはあくまで「肉のタンパク質」です。
ソーセージには卵が入っていませんが(昔の安物は卵を入れて増量していましたが)バラバラにならずにちゃんとまとまっていますよね? ふわふわ感を簡単に出せるのはメリットですが、肉の味が薄まるというデメリットがそれを上回るので、僕は卵を入れていません。
2つ目の方法は水分を加えることです。今回はこちらの方法を採用し、ハンバーグをやわらかくするために牛乳に塩と砂糖を溶かし、牛挽き肉に振りかけ、冷凍庫で10~15分間冷やすことにしました。
これはブライニング(塩水処理)と呼ばれる調理法で、砂糖が入った塩水に漬けることでタンパク質のミオシンを変性させてしっとりとした食感にし、さらに肉に水分を含ませることができます。水分を肉に練り込む技法はソーセージづくりでは一般的で、挽き肉は面白いほど水分を吸い、焼き上がりがやわらかくなります。
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