埼玉・小川町メガソーラー設置めぐる大混乱の深層 住民への説明・周知の手続きは適切だったのか

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小川町を含む埼玉県比企郡の住民団体でつくる「比企の太陽光を考える会」は5月19日、小川エナジー合同会社に文書を送り、「日時の設定や住民への周知方法が不適切で、4月20日の説明会は開かれなかったと私たちは認識している」として、改めて説明会開催を求めた。

国の環境アセス制度では、環境影響評価の方法について述べた「方法書」(埼玉県条例では調査計画書)や「準備書」を事業者が公表した後、関連する都道府県知事が意見を述べることになっている。

2020年2月28日、松本恒夫・小川町長は厳しい意見を埼玉県知事に提出した。特に、土地を切り崩したり、盛り土により造成したりする地形改変を最小にとどめるため、「基本的に事業地内での切土・盛り土を計画されたい」と求めている点が注目される。

その約1カ月後の3月26日、埼玉県の大野元裕知事が公表した意見書も、「大規模な盛土や森林の伐採により土地を大幅に改変する事業計画になっている」としたうえで、厳しい注文を付けた。「造成(盛土・切土)計画については複数案を示し、比較検討の根拠を明らかにすること」「事業地内では斜面の崩壊があったことから、造成の工法や雨水の排水計画を検討すること」「事業計画の詳細を積極的に公表し、住民からの意見に配慮すること」などから始まり、調査、予測と評価の方法に言及した。

環境や景観悪化だけでなく土砂災害の危険性も

こうした環境アセス手続き上の意見書とは別に、小川町議会は2020年12月10日、「さいたま小川町メガソーラー事業での土砂搬入に強く反対する意見書」を埼玉県知事あてに送った。事業で大量の土砂の搬入が計画されていることについて、「環境や景観の悪化だけでなく、土砂災害の危険性も高い」としている。

町長、県知事、さらに町議会と3つの意見書に共通するのは、土砂(客土)の搬入についての懸念だ。今回の環境アセス準備書では、調査計画段階に比べて盛り土量を抑え、外からの土の持ち込み量を35万5000立方メートルとした。とはいえ、町や町議会が求める「土砂搬入ゼロ」には遠い。なぜ地元は「ゼロ」にこだわるのか。これには理由がある。

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