千葉で「野生イノシシ激増」の現場に見えた難題 館山では人の生活圏に動物が入ってきている

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イノシシなどの野生動物による農村地域への被害を食い止め、生息数を適性に保つにはどうしたらよいだろうか(写真:Byrdyak/PIXTA)

日本全国でイノシシやシカの生息地が拡大し、人口減少が顕著な農村地帯を直撃している。イノシシとの闘いの最前線の1つ、千葉県館山市を訪ねると、「イベリコ豚もびっくりのおいしさのイノシシを売りだしたらどうか」。そんな秘策を練っている人たちがいた。地元の農家に加え、最近この地域に移り住んだり、新たにビジネスを始めたりした人々。状況反転はなるのか――。

田畑はさながらイノシシの運動場

「そこの田んぼが、全部ダメになりました」

千葉県館山市の中心部から約10キロメートル、田畑が広がる神余(かなまり)地区で、農業を営む、長田等さん(56歳)は、今も憤懣やるかたない。

自分の田んぼが荒らされたときのことを語る長田さん(撮影:河野 博子)

「イノシシは、山奥で、背の高いヨシなどの周りをぐるぐる回って倒し、その下にもぐって、テントみたいな巣を作る。それをなぜか稲のところでやったんですよ。習性があるのかなあ。獣の臭いがついてしまい、稲は全部ダメになりました」

こうしたイノシシによる被害が悪化、神余地区では4年前から侵入防止柵の設置を進めた。今では、延長2キロメートル以上にわたって、高さ90センチの鉄製ワイヤーメッシュによる防護柵、その上には電気柵が張り巡らされた中で、集落の農家約30軒が生活している。

3月17日の日曜には、防護柵の外側に、つっかえ棒のような形で別のメッシュフェンスを立てかける補強作業が、集落総出で行われた。

「それは、俺のアイディア」。そう胸を張る長田さんによると、イノシシは、防護柵の下の部分を鼻で押し、隙間を作って入ろうとする。しかし、その外側に、より低い防護柵を立てかけると、入ってこないという。

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