埼玉・小川町メガソーラー設置めぐる大混乱の深層 住民への説明・周知の手続きは適切だったのか

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参加した住民が引き上げた後の会場(提供:住民)

住民側の主張は、

① 縦覧開始翌日のしかも平日(火曜日)の夜という日時の設定では、アセス準備書を読む時間がなく、仕事の都合もつけにくい

② チラシを全戸配布したと事業者側は説明したが、受け取ったという人を知らない。周知が不十分

――というものだ。

ホームページでチラシ配布状況を説明

4月23日、小川エナジー合同会社はホームページ上で「小川町役場内にポスターを掲示したという20日の説明は誤りでした。住民説明会ではなく環境アセス準備書の縦覧開始を告知した内容のものでした」と訂正すると同時に、ポスティング業者へのチラシ配布の発注内容を公表。続いて5月12日付で自社ホームページ(太陽光発電の小川エナジー合同会社ホームページ)に「ポスティング会社の調査結果について」と題し、ポスティング会社の配布担当者からの配布状況のヒアリング結果やチラシの配布状況を示した表を載せた。

ここで小川エナジー合同会社が強調したのは、事業地周辺の飯田、笠原、原川、木部の4地区に念入りに配布を行ったという点だ。5月12日に示した表では、配布した時間、配布者の年齢やチラシ配布歴まで説明し、計7650枚を配ったとしている。事業地周辺地区の世帯数と、ホームページ上明らかにした配布枚数を比べると、以下の表のようになる。

(外部配信先では表を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください)

ところが、事業地周辺の4地区では、「そんなチラシは受け取っていない」と噂になっているという。これは、飯田地区に住む私自身の友人の農業者に聞いた話。小川町は行政区ごとに「会計年度任用職員」として区長を任命している。直接、あるいは私自身の別の知り合いを通じて4地区の区長に確認したところ、4人とも説明会開催を知らせるチラシを受け取っていなかった。たまたまなのだろうか。郵便ポストにチラシが入っていてもよく見ないで捨ててしまう人が多いのだろうか。

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