埼玉・小川町メガソーラー設置めぐる大混乱の深層 住民への説明・周知の手続きは適切だったのか

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地域住民への説明会は、環境影響評価法および環境影響評価法施行規則で実施方法が定められている。住民への周知の方法は、

(1) 官報への掲載

(2)都道府県の公報または広報紙に都道府県の協力を得て掲載

(3)市町村の公報または広報誌に市町村の協力を得て掲載

(4)日刊新聞紙への掲載

のうち適切な方法により行うとされている。小川エネジー合同会社は、「(1)+独自のチラシ配布」という方法で行ったが、それは適切だったのか。

経産省や環境省の見解は「適切」だが……

住民団体「小川町の太陽光発電を考える会」は経済産業省電力安全課にその点を問い合わせ、「事業者が説明会の周知を図った方法は適切だった」という回答を得た。環境アセス法を担当する環境省は「日刊新聞紙をとっていない人が多いなどの理由により、チラシを各戸に配布するという方法はありうる」と話しており、こうした環境省の見解も踏まえ、経産省は住民に「適切な方法による周知が行われたものと考える」と伝えた。

「それは、チラシ配布がきちんとされたならば、ということでしょう」と、地元自治体は首を傾げる。「事業者は3月には会場を押さえていたのだろうから、もっとていねいに地域住民に知らせることができたはず。ホームページで4月19日に縦覧開始を発表し、翌日の20日に説明会ってそれはないと思う。なるべく知られないうちに説明会をやってしまおうとしたのかと疑ってしまう」(小川町環境農林課)

小川町役場の環境アセス準備書の縦覧コーナー(撮影:河野博子)

私は小川エナジー合同会社へ5月17日午前9時すぎにファックスで「取材のお願い」のレターを送った。続いて同社ホームページ上の問い合わせフォームにも取材のお願いのメッセージを送り、午前9時24分に「お問い合わせを受け付けました。追って担当者からご連絡させていただきます」という応答文を受け取った。

その後、同社へ電話をしつづけたが誰も出ず、19日に電話をしたところ、電話口に出た代表者の加藤隆洋氏と話すことができた。「住民側からの説明を受けたが、一方的な主張を聞くだけでは公正な記事を書けないので、御社のご説明を聞かせてほしい」とお願いしたが、「取材は受けていない」と言われ、それ以上の説明を受けることができなかった。

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