秘策はノート「嫌な事から逃げない子」育てるコツ 大人の価値観押しつけず、成功体験を積ませる

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私は現役時代、向上心の高い選手でした。しかし、現役時代の大半の時間は自信を失いながらプレーをしていました。良いプレーをしようと意気込むほど、自分の理想と現実のギャップに悩み、出口が見えないトンネルに迷い込んでいました。このトンネルから抜け出せたのは、「長期目標」と「短期目標」を明確にして、使い分けるようにしたからです。

当時の私は日本代表並みのプレーをしないと、試合で活躍できないと考えていました。長期的に目指していた「フットサル日本代表」という目標を、毎日意識し続けていたのです。

悩みから抜け出せない私はメンタルトレーニングを行い、自信喪失する原因を明確にして、日々の取り組みを変化させました。

まず、毎日意識していた「日本代表クラスのプレーをすること」は数年後に求める「長期目標」に。「短期目標」は今クリアできることに変化させました。 練習前に自分と向き合い、頑張ればクリアできる目標をピックアップしてノートに書き出していきました。

例えば、「紅白戦でシュートを3本打つ」「攻撃から守備への切り替えを早くする」「最後まで運動量を落とさず走り切る」などです。 自信を感じ始めたのは、決めたことをクリアできているという「小さな達成感」を得たときでした。

それまでの私は、「日本代表クラスのプレーができないと満足はしてはいけない」と考えていましたが、現実を見て自分のできたことを認めるようになってからは、自信を育てていくことができました。

「自分に限界を作ってはいけない」は誤り

私の最大の間違いは、今日の自分に「限界」を作ってはいけないという認識でした。 1年先の目標には限界を作る必要はありません。時間が十分にあるため、成長していける可能性が大いにあるからです。

しかし、今できることには限りがあります。そこを理解して目標を立てるようになってから、小さな自信が積み重なり、レベルアップが早くなっていきました。

例えば、ゴルフのベストスコア120の人が、その日いきなり「今日は80でまわる」と決めても、現実味がありません。メンタルスポーツでもあるゴルフでは、なおさらワンプレーごとに自信を失う可能性すら出てくるでしょう。

子どもたちが完璧な姿をいち早く達成するために、自信の積み重ねを続ける必要があると考えています。向上心が高い選手ほど「まだいける」とその日の自分の実力を見失しないがちです。私たち大人が客観視してあげて、今日の「限界」を意識させてあげることが自信構築のポイントだと思っています。

長期目標は限界を考えず、とことん理想へ。短期目標は「限界」を理解し、クリアできることへ。このコントラストが自信構築に必要だと感じています。

(画像提供:東洋館出版社)
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