過熱するZ世代向け「メンズコスメ」開発の裏側 男性用化粧品へのニーズをどう反映させるか

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メンズラボは今回で3代目だ。これまで二度のメンズラボは現在の役員クラスも加わる組織で、商品化にはこぎつけていなかった。今回のメンズラボは25歳〜39歳と若い世代で構成され、今回の立ち上げに手を挙げたのは3人の新入社員だった。メンバーは営業やマーケティング、購買、広報など部署を超えて集まった8人で、所属部署の業務の傍ら、男性向け商品の企画のため、月1程度のミーティングを重ねてきたという。

立ち上げに名乗りを上げた若手の1人である宣伝部の南直宏氏は「男性向けブランドを作りたいということで手を挙げた。自分が化粧品に深く興味を持つようになったのは入社してからだが、その前から洗顔料だけは使用していた。他のメンバーも日常的に洗顔料を使用するという点は一致しており、まず洗顔料を企画した」と話す。

企画メンバーも20~30代と若年層

「メンズツルリ」のターゲットはメンバーと同世代の20〜30代で、男性メンバーのリアルなニーズや美容習慣が商品企画の土台となった。メンバーによって美容習慣はさまざまで、化粧水のみ使用する人もいれば、乳液まで使う人もいた。そこで着目したのが、洗い上がりの肌がつっぱらないこと、また若年男性の肌悩みとなりやすい毛穴だ。そうして議論を重ねた結果生まれたのが、「スクラブフェイスウォッシュ」とスペシャルケアの「スクラブジェル」だ。

「使い心地からパッケージに至るまで、自分たちの欲しいものを追求した」と南氏。男性向けアイテムのパッケージは、白や黒を基調としたシンプルなものが多い。一方「メンズツルリ」は男性メンバーに好評だったという鮮やかな黄色が目を引くデザインを採用。他製品と差別化した見た目となった。

メンズラボの企画から開発にあたった、企画部の小西由起氏は、「いちばん悩んだのは、男性たちとの使用感に関する表現のすり合わせだった。例えばしっとりした仕上がりのものを出すと、『ベタつく』という表現でアウトプットされるなど、女性ものの開発とは感覚が異なる部分があった。そうした感覚のチューニングも行ったので、処方を決定するまでの試作の回数は多かった」と話す。美容に熱心な女性と異なり、そもそもスキンケアに慣れていない男性の感覚は、また違った見え方があるのだ。

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