夢を叶えたいなら大口を叩け! NASAジェット推進研究所の技術者が13の質問に答える

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慶應義塾大学矢上キャンパスでの講演会の様子

4:努力することで開いていく可能性の扉を、まだ自分の手で開く楽しさを知らない中学生へメッセージをおねがいします。学業から逃げ出して、毎日ゲームして楽しい心と戦う心の強さの持ち方についても、同様に中学へ向けてお願いします。

僕は自分を心の強い人間だとは思っていません。著書にも書きましたが、仕事をしているふりをしてFacebookやTwitterを見てしまうこともたびたびありますし、締め切りやプレッシャーに追われなくてはグウタラしてしまう人間です。それでもここまでやってこられたのは、絶対に叶えたい夢があるから、ただそれだけでした。

そしてその夢は、子どもの頃、父親が楽しそうに星を観ているのをまねしているうちに、脳の奥深くに植え付けられたものです。以前の記事(MIT理系エリートが育った家庭環境とは?)に書きましたが、親が楽しそうに何かに打ち込むことこそが、最良の教育だと思っています。

5:スターウォーズでいちばん好きなキャラクターは何ですか?

もっちろんダースベーダー(アナキン・スカイウォーカー)です! それと、エピソード4に出てくる、酒場でちょっと絡んだだけなのにオビ=ワンに腕を切り落とされてしまう宇宙人がかわいそうだなあ、と思います。

6:小野さんが今、日本で小学校6年生だとしたら、そのときにMITなどへの進路やキャリアの積み方を知っていたら、どのように中学以降を過ごされたと思いますか?

僕には「キャリア設計」という言葉がどうもしっくりきません。人生は逆算して解を求める数学の問題ではありません。NASAに行きたいからMITに行く、MITに行きたいから東大に行く、東大に行きたいから開成に行く……そんな逆算的な人生なんてつまらないと思うし、そもそも計画どおりに行くものでもありません。

どこかのリンゴ会社の社長が言っていましたが、未来に先回りして点と点をつなげることはできません。僕たちにできるのは、過去を振り返ってつなげることだけなのです。人からは「エリート街道」に見えるかもしれない僕の履歴書だって、そうやって振り返って点と点をつなげたものにすぎません。

著書に書きましたが、夢とは灯台の光のようなものだと思っています。遠くに見えるその光を目指して、一歩一歩前に進むのが人生だと思っています。道はひとつではありません。

質問をくれたのは小学生の方でしょうか。ならば中学や大学のことなんて飛び越して、その先の大きな夢をまず抱いてください。そしてそのために今できることを、コツコツと努力し、積み上げていってください。

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