山のような服を罪悪感なく処分できる驚きの方法 本当のお気に入りだけが残る「追試」の威力

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このような「発想の転換」とはなかなか素晴らしいもので、こうして一旦方向性さえ定まってしまえば、まるで霧が晴れるように、ずっと目の前にあったのに全然見ようとしてこなかった世界が次々と見えてくるのであった。というか、今にして思えば懸命に「見よう」としていたのだと思う。

例えば、当時の私はテレビを持っていたので韓国歴史ドラマを好んで見ていたんだが、あれってまさに「アントワネット系」(つまりは私系)の話がてんこ盛り。

で、まさしく王女様が陰謀に巻き込まれて失脚し宮廷の外に追い出されるシーンが出てきまして、服もアクセサリーもインテリアも超キラッキラの極彩色の世界から、一夜にして色のまったくない机一個の粗末な部屋で、木綿の白い服、すっぴん、ノーアクセで暮らすことになった王女様。いやいやまさに私だよこりゃ。

で、お付きの女性は「おいたわしい……」と泣くわけだ。でも貧乏長屋で発想の転換を済ませていた私は違ったね。いやいや~むしろこっちのほうがカッコよくないか? 清潔で、シンプルで、ピシッと芯が通っていて……そう「品」ってものがあるよキラッキラの世界よりずっと! などと、テレビに向かって一人ニヤつく私。

似たような服でも「おしゃれ」に見える人

テレビの中だけじゃない。リアルな世界もとくと見てみれば、いつも似たような服を着ているのになぜか「おしゃれ」に見える人が案外いることにも気づく。

そういえば、以前雑誌の表紙担当をして大勢のスタイリストさんと仕事をさせていただいたとき、おしゃれを知り尽くしているはずの皆様が、なぜか毎回ほとんど同じ地味な服装だったことも思い出した。裏方として目立たぬためのマナーなのかなと勝手に想像していたけれど、もしかして実は、あれこそ真のおしゃれという可能性だってないわけじゃない。

私はずっと、おしゃれとは服をたくさん持っていることだと信じて疑わなかった。なので給料をもらえるようになると、毎シーズン山のように新しい洋服や靴を手に入れ続けてきた。それはそれで楽しく、誇らしく、そのためにこそ必死に働いてきたと言ってもいい。

だがしかし、こうなってみてよく考えてみれば、もしかして「おしゃれ」ってそういうことじゃなかったのかもしれない。じゃあ何かと言われると困ってしまうが、それでもその可能性は、私には間違いなく大いなる希望だった。

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