そうだよ。会社を辞めたら今後一生、おしゃれを諦めなきゃいけのかと怯えていたけれど、もしかしてちっともそんな必要はないのかも……という生まれたての朗報を胸に、私はついに、山のような服をガッサガッサと処分しまくったのであります。
服に「追試」を課す作戦
いやー、大変だったよまったく!
何しろ私、洋服選びには相当なエネルギーを費やしてきたので「ときめかない」服など一着も持ってはおらぬ。
だが家賃圧縮のため収納ゼロの家に引っ越さなきゃならんという現実を前にしてはそんなことをごちゃごちゃ言うている暇はなく、しかしそれでもやはり服を処分するというのは実に決意がつき難いもので、そこで再び「溺れる者」として必死に編み出したのが、処分の前に、服に「追試」を課す作戦であった。
これはですね、服を減らしたい人には実にオススメの方法であります。コロナ禍の昨今、「おうち時間」を利用した断捨離がブームとも聞くので、そんな皆様のご参考になればと、やや脇道に逸れますが具体的に説明しますね。
捨てるべきか残すべきか、この決断はいくら考えたところで、「いつか着るかも」などという思いが次々と湧いてきてまったく前に進まない。一旦捨てると決めてもまた元に戻したりしてね。なので、あれこれ考える前に、まずは何はともあれ一度着て出かけてみる。これが追試である。服にラストチャンスを与えるというわけ。
そして自分をよく観察する。やってみたらわかるが、着心地、サイズ、色、形……すべてにおいて文句なくストレスなく着られる服というのは意外なほど多くない。色はいいけど形が……形はいいけどちょっとサイズが……などなど。
このようにどこかに一つでもストレスを感じる服は、かわいそうだが処分することに決めたのだよ私は。似たような服が複数ある場合(これが案外多い!)も、同様にして実際に着て出かけてみて、「一番似合う」ものだけを残すことにした。
この方法が素晴らしかったのは、服を「捨てる」というネガティブな行為を、服を「選ぶ」というポジテイブな行為に変えた点だ。一度は気に入って買った服も、自分の変化や社会の変化により、時の経過とともに似合わなくなることがある。
なので、気に入って買った服の中から、さらに本当に気に入った服を選びなおすのだ。それは考えようによっては、新しく服を買うのと同じくらい、前向きで元気の出る行為に思えた。
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