PC前で「忙しい」と言う人ほど仕事をしていない ビジネスパーソンの価値は「思考」の量で決まる

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

メールの送信も同じです。何をどう伝えるのか、文面を考えるのは「思考」です。そして考えた文面をキーボードで入力する行為が「作業」です。

この「思考」と「作業」は、「思考」→「作業」という流れのワンセットで行われたり、「思考」→「作業」→「思考」→「作業」と交互に繰り返したりします。そのため普段は分けて考えることが少ないのですが、パソコンを使う仕事はすべて、この2つに分解することができます。

メールの処理を例に、仕事の手順を分解してみましょう。通常は次のようなことを行うでしょう。 

・受信したメールを開く
・メールを読んで理解する
・その内容に対する返信を考える
・そして返信メールを書く
・メールを送信する
・対応が終わったメールは、別のメールフォルダに移動する

これを図にすると次のようになります。

見ておわかりのように、作業のプロセスの数のほうが多いですね。これがパソコンを触っているときの仕事の実情です。これを1日100通のメールに対して処理をすると、1日のほとんどの時間を「作業」に費やすことになることがおわかりいただけると思います。

仕事の成果は「思考」で決まる

仕事を「思考」と「作業」に分けて考えたとき、どちらがより付加価値の高い営みでしょうか。どちらがよりその人の仕事やキャリアに直結するでしょうか。それはもちろん「思考」です。

たとえば私は自分の席で、パソコンの画面を見ずに窓の外を見ながらぼーっとしていることがあります。ぼーっとしているというのは、傍から見るとそう見えるだけで、実はその間ずっと考えごと(思考)をしています。みなさんもそのようなことがあると思いますが、それを見て「暇そうにしている」と言われると心外ですよね。

一方で、パソコンの前で長時間忙しそうに仕事をしていたとしても、単にキーボードで入力するのに時間がかかっていたり、Excelの操作に苦労していたり、つまり「作業」に追われているのであれば、それらの時間は、付加価値を生み出すものではありません。むしろ「思考」に時間を割り当てるために、1秒でも短縮すべき不毛な時間です。

次ページパソコンを触る時間をゼロにしたい
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事