学生時代のつらい別れ
――後悔って何を?
沈:私も実は大学のときから6年付き合っていた男性がいたのです。でも彼が海外に行くことになり、私にもついてきてほしいと言われたのですが、ビザがおりなくて、けんかになって別れました。でもその後もずっと引きずっていて、そのために2番目の彼ともうまくいかなくて……。
李:腐れ縁というやつね。
沈:そういうわけではないのだけれど。彼はずっと海外だったし、私から「新しい彼氏ができたからもう電話しないで」なんて言ってしまって……。たぶん、そういう運命だったんだと思う。縁がなかったのね。
でも本音を言えば、卒業と同時に結婚して子供を生むって本当にうらやましい。私もそうしたかった。
林:私が仲良くしている女友達は、みな独身なのですが、彼女たちを見ていると、私も卒業してすぐ結婚していなかったら、ずっと独身だっただろうなと思います。
あの頃は何もかもがシンプルで、ただ彼が好きだったから結婚した。でも今の若い女性は月給2000元の貧乏人と結婚しようとは考えないでしょう。たとえ愛していたとしても、せめて車と家がないと。
李:私はそうでもないですよ。私の彼は30歳過ぎて、家もなければ車もない。このマンションも賃貸です。
沈:でもバイクは持っているでしょ。
李:そう。バイクだけ。私は毎日、彼のバイクの後ろに乗って、楽しくやっています。それでいいと思う。彼が最終的に貧乏生活を選ぶなら、私も一生、楽しく貧乏暮らしを送るでしょう。それが何よりも楽しいと思う。
沈:私はダメね。虚栄心には勝てない。おカネ大好き。ただその奴隷にはなりたくない。誰かがおカネで私の気を引こうとしたら、すごく侮辱的だと感じます。
林:あなたはメンツを重んじすぎて失敗するタイプだと思う。つまりこういうことでしょ。「私はおカネが大好きです。彼が私を愛したうえで、おカネで私のハートを動かすならOKだけれど、ただ、おカネで私の関心を買おうとする行為は、私の自尊心を傷つけます」
沈:そうそう!
李:私もおカネがほしくないわけではないけれど、そのために彼との関係が悪くなるようなら、いつでも辞めて旅に出ようと、彼と話をしています。私たちにとっておカネは大事だけれど、それよりもお互いの気持ちのほうが大切です。
林:それは彼がイギリス人だからできることだと思う。これがもし中国人の男だったら難しいでしょう。
李:確かに、彼には中国の男が持つような強い野心はありません。今の事業も、純粋に生活を楽しむためにやっています。彼は何がいちばん大事か、つねにしっかり考えている人です。だから私も彼と一緒にいて、この物欲にまみれた社会の中で自分を見失わずにすんでいると思う。
沈:特に西洋人は価値観とか考え方が、土着の中国人男性とは違いますね。私が付き合った男性はもっぱら中国人ですが、みんな海外帰りで、やはり1度も外国に出たことのない中国人の男性とは違うと感じました。
――たとえば?
沈:少なくとも、カネで女性の気を引いたりしない。
李:それに女性を尊重してくれ、支えてくれます。それも金銭面でのサポートではなく、私の考え方に同意して、精神的に支えてくれます。もちろんプレゼントもくれますが、「あげてやったんだから」みたいなことは言いませんし、見返りを求めることもありません。ただ彼がプレゼントしたくてくれるのです。
中国の男性はそうではありません。「これだけあげたんだから」と考えます。彼らの行為が心の琴線に触れることはほとんどありません。
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