製薬業界としても、結局、医薬品を使ってくれるのは医師たちですから、診療報酬を減らすことを主張すると、大きな問題が生じます。かといって薬剤費があまりにも減ってしまいますと、自分たちの利益が減ってしまいます。痛し痒しの部分があるのです。
およそ10年後には、一学年240万人ほどいる団塊世代が後期高齢者になります。このままでは医療費が急増することは間違いありません。膨大な財政赤字を抱える日本が、医療費の問題をどのように乗り越えていくかは喫緊の課題なのです。
その中で、日本の医薬品市場や医療サービス市場には、TPPなどの動き次第では、急速に外資が参入してくる可能性もあります。そこで日本の製薬会社たちがどのように生き残っていくのかという点も、一つの大きな注目点になるでしょう。
これまでは安定的に業績を伸ばしてきた製薬会社ですが、今後は激変する可能性もあるということです。そこで、どのような戦略をとっていくのか。武田薬品のように海外に活路を見出すという手もあります。
そして、日本の薬品は品質も信頼性も高いですから、新興国市場を開拓していける可能性は十分あるでしょう。ただし日本国内では、医療費は増えていく一方で、医薬品の単価は下げざるを得なくなってきます。後発品への依存も高めざるを得ません。こうした状況を踏まえ、各社がどのように動いていくのかという点に、私は注目しています。
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