武田薬品の次期トップはなぜ外国人なのか 属性を問わずリーダーとしての資質のみで人選
「フランス人じゃないかな」
11年間、武田薬品のグローバル化を推し進めてきた長谷川閑史社長にとっては、後継者候補に求めるのは、武田が必要とする成長戦略を遂行する資質だけ。国籍はもちろん、年齢も性別も関係ないようだ。
次期CEO(最高経営責任者)候補として、クリストフ・ウェバー氏をCOO(最高執行責任者)に迎えることを発表した11月30日の会見後、記者達にウェバー氏の国籍を聞かれ、冒頭の答えとなった。
「グローバルにコンペティティブな(競争力のある)会社になる」という目標を達成するのに、国籍や性別などは考慮の対象ではない、ということなのだ。そのことを象徴する受け答えだった。
すでにCFOも外国人
日本よりも市場が大きい欧米で新薬を売るには現地で治験をやらねばならず、そのため日本の製薬大手の研究開発責任者が外国人であることは珍しくない。武田もそうだが、武田は研究開発にとどまらない。9月2日に新設されたCFO(最高財務責任者)には、フランソワ・ロジェ氏が就任している。
また、武田は現在、世界のメガファーマに収益力で追いつくためのプロジェクト「グローバル・サミット」を推進中だが、そこで重要な役割を担うCPO(チーフ・プロキュアメント・オフィサー=調達責任者)も12月に外国人が就く。
これでも長谷川社長に言わせると、取締役会に武田の諸課題をふるいに掛けて提出するグローバル・リーダーシップ・コミッティーのメンバー9人のうち5人が外国人であることと比べると、ダイバーシティの進捗が遅れ気味ということになる。
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