武田薬品と第一三共を分析する

新薬特許切れと後発薬メーカー買収の影響は?

医薬品というのは、一品目開発するだけでも数100億円の研究開発費がかかると言われます。損益計算書から研究開発費を調べますと、3415億円も計上されていますね。これは売上総利益の28.4%にあたる金額で、国内のほかの産業と比べても非常に高い水準です。製薬会社というのは、研究開発型の会社の典型なのです。

逆に言いますと、製薬の開発は巨額の研究開発費がかかりますから、そもそも大きな資本を持っている会社でないとできないのです。新薬を開発すると、特許期間中は独占販売できますから、その薬が当たると非常に大きな収益を得られます。こうしてさらに財務内容がよくなっていき、次の新しい医薬品の開発にお金がかけられるというわけです。

買収で後発薬市場の開拓を進めようとした第一三共

第一三共は、後発薬市場を開拓しようと、6年前にインドの後発薬大手ランバクシー・ラボラトリーズ(以下、ランバクシー)を買収しました。ところが、買収直後にランバクシーで品質問題が起こったため、医薬品の最大市場である米国へ輸出ができなくなったのです。ランバクシーにとって米国への販売は主力事業でしたから、大きな痛手を受けました。最終的に、第一三共は米国事業の再開に時間がかかると考え、ランバクシーの売却を決めたのです。

このように、ランバクシーの買収は失敗だったという見方が強い中、第一三共の業績はどのように推移したのでしょうか。平成26年3月期決算を見ていきましょう。

損益計算書(30ページ)を開きますと、営業収益(売上高)は、前の期より12.4%増の1兆1182億円。売上原価が少し増えて、売上総利益は9.1%増の7159億円となりました。販管費と研究開発費は微増し、営業利益は13.0%増の1115億円となりました。第一三共も武田薬品と同じく、巨額の研究開発費を積んでいますね。これは売上総利益の26.7%にあたりますから、比率もほぼ同水準です。

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