松山効果だけじゃない、ゴルフ「大活況」のわけ グリップ不足で生産がブームに追いつかない
「スリクソンは普段の売れ行きがそこまでよくないブランドですけれど、『松山効果』がすごくて1日に何件も問い合わせが来ていますよ」
松山英樹選手がマスターズ・トーナメントで優勝してから数日経った4月中旬の昼下がり。東京都心にあるゴルフ用品店の店員の表情は明るかった。
平日なので仕事の合間に立ち寄ったのだろうか。スーツ姿の男性が、松山選手の使った住友ゴム工業の「スリクソン」のドライバーを熱心に眺めていた。
「3密」回避でゴルファーが急増
松山効果も相まってゴルフブームが復活しつつある。若者などの新規参入者が減り、近年のゴルフ市場は縮小傾向が顕著だった。
5年ごとに行われている総務省の社会生活基本調査によると、練習場を含む国内のゴルフ参加人口は、最盛期の1991年には1784万人を数えていたが2016年には890万人まで激減した。
ところが、コロナ禍で3密を回避しながら運動不足を解消できるレジャーとしてゴルフを楽しむ人が急増。新品ゴルフ用品販売の「ゴルフ5」や中古ゴルフ用品販売の「ゴルフパートナー」などでは、2020年夏以降の既存店売上高が前年同期と比べ、1~2割増加している。
特徴的なのが若年層の参入だ。中古ゴルフ用品販売の「ゴルフ・ドゥ」では、2020年6~8月における直営店の新規会員のうち、30歳未満の入会比率が前年同期比で5.5ポイント増加。この傾向はその後も続いているという。
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