松山効果だけじゃない、ゴルフ「大活況」のわけ グリップ不足で生産がブームに追いつかない
グリップだけでなく、業界内ではシャフトの生産遅れも指摘されるようになってきている。ゴルフクラブの供給は改善するどころか、ますます悪化しそうだ。
もう1つ、ゴルフ用品の供給遅れに影響しているのが、船便の逼迫を原因とする輸送の遅延だ。
ピンゴルフジャパンでは、中国などにある工場が部品を製造し、日本に出荷している。通常なら日本に数日で到着するが、現在は普段と比べて1~2週間ほど遅れているという。「日本に届きはするものの到着予定が読めない」(ピンゴルフジャパンの岡田健二副社長)状況だ。
コロナで荷役作業が追いつかない
中国の輸出を中心に、2020年の初夏以降、世界貿易は急速に回復しつつある。一方、アメリカでは港湾作業員のコロナ感染拡大などで、貨物量の増加に荷役作業が追いついていない。日本郵船傘下の郵船ロジスティクスによると、「ロサンゼルス港とロングビーチ港では混雑でコンテナ船が港に入れず、2020年末から10~30隻の沖待ちが発生している」。
これら荷動き急増と荷役効率の悪化で、世界的なコンテナ不足が起きた。その結果、「深圳など中国南部発着の便では運賃の高い欧米向けにコンテナを取られている」。国際輸送の手配を手掛けるエイペックスインターナショナルの深山浩志取締役はそう指摘する。
もちろん、中国南部に多くの工場があるゴルフ用品メーカーも影響を受けた。
契約によって差はあるものの、ある会社では中国から日本への船便の運賃がコロナ前と比べ40倍近くに上昇。ほかのメーカーでもコロナ前と比べて3~5倍程度に上昇している。航空便で輸送量を増やそうにも船便より割高なうえ、航空便の運賃も上昇基調にある。あるメーカーは通常の3~10倍に航空便の運賃が上昇していると明かす。
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