「家庭の野菜炒め」べちゃっと仕上がる根本原因 火加減は最初から最後まで「ほぼ弱火」で大丈夫
冷たいフライパンからの弱火加熱だと、たしかに強火よりもずっと時間はかかります。けれど、これらの失敗はほぼ避けることができます。
時間がかかるのが欠点と思うでしょうが、弱火で放置しておくだけなので、つきっきりでフライパンに目を光らせている必要がないため、その間にほかに1品作る、洗い物をしてしまう、というマルチタスクが簡単にできますから、その意味では「時短」になるとも言えます。
「べちゃっとした野菜炒め」を回避するには
腕力のない人が中華鍋をコンロに置いたままで炒め物をすると、非常に焦げやすくなります。「強火では焦げてしまうから」と、中途半端な中火で時間をかけて炒め続けていると、どんどん野菜の水分が出て、べちゃっとした野菜炒めになってしまいます。
野菜の歯ごたえをなるべく残して加熱する方法として考えられるのはふたつだけ。高温を使い短時間で仕上げるか、低温で長時間かけて仕上げるかの、どちらかです。
前者は中華料理店の野菜炒め、後者は今おすすめした方法です。仕上がりの食感には違いがあり、前者は歯ごたえがより強く、後者は歯ごたえの点ではやや劣ります。しかし、野菜の旨味は後者のほうがより感じられます。
これは「どちらが優れているか」というよりも、好みの差ということになるでしょう。ただしここでいう強火の野菜炒めは、プロが中華鍋をあおりながら作った場合を想定しています。当然ですが正しい方法で作れば、強火でも弱火でもおいしく作れるということ。
では同じフライパンで、火加減だけを変えて比較してみましょう。同じ材料、同じフライパンを使って「弱火野菜炒め」と「強火野菜炒め」を作ってみました。強火野菜炒めのほうは、この本の担当編集者の女性に「いつも家でやっているように作ってください」と頼んで作ってもらったものです。
- A 油をひいて熱したフライパンに野菜を入れ、強火でなるべく短時間で炒めた場合
- B 冷たいフライパンに野菜を入れて油を回しかけ、弱火で炒めたもの
できあがり直後と、30分後に比較すると、かなりの違いがはっきりと見た目にもわかります。
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