「家庭の野菜炒め」べちゃっと仕上がる根本原因 火加減は最初から最後まで「ほぼ弱火」で大丈夫

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加熱する時間はフライパンいっぱいの野菜で、だいたい8~10分ほどでしょう。食べてみて一番固いものが好みの食感になった段階で火を止めてください。

ゆっくり加熱すれば、もやしとニンジンを同時に入れても、ニンジンにほどよく火が通るころになっても、もやしやキャベツが焦げたりヘナヘナになったりはしません。どうしてもニンジンをよりやわらかくしたい場合は、あらかじめ下ゆでしておいてもいいでしょう。

このレシピの肝は「冷たいフライパンに切った野菜を全部入れてしまう」「最初から最後までほぼ弱火」という点です。こんな作り方をして、野菜がベチャベチャにならないのか、と思うでしょうが、ぜんぜんなりませんので、一度ウソだと思ってお試しください。

家庭の野菜炒めのよくある失敗

野菜、つまり植物も、肉と同じように細胞からできています。そして細胞は細胞壁で覆われてその中の液胞中に水分が保持されている。

水分をできるだけ外に出さずに仕上げる調理法として、もっとも「有効」なのは、生で食べることなのですが、炒めて食べたいという場合に「どこを目指すか」が問題になります。加熱すれば、どうやっても肉も野菜も細胞が50度前後で変性を始め、水分は失われていきます。

肉と野菜で違うのは、肉の場合は筋肉部分が固くなるのですが、筋肉を持たない植物の場合は水分を失うと、ほとんど形がなくなってしまうということです。塩をふると浸透圧でみるみる野菜の水分が外に出てきて本体はヘナヘナにやわらかくなります。

野菜を加熱する場合も同じように水分が失われ、それにともなってやわらかくなり、崩れていく。これが「歯ごたえがなくなっていく」ということです。

家庭での野菜炒めのよくある失敗は「ニンジンに火が通るころに、もやしが焦げる」「キャベツがフライパンに張り付いて焦げる」「手早く作ったつもりでもシャキッとした歯ごたえが残らない」「手早く作りすぎて全体に生っぽい」「全体的にべちゃっとする」などです。

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