実験!「カップ麺の汁」流しに捨てた驚きの結果 醤油味、シーフード味、カレー味に違いはあるか

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多くの人が、「排水口に油を流す人などいないだろう」と思うかもしれない。でも、それは疑わしい。ミツカン水の文化センターは、東京圏、大阪圏、中京圏の1500人を対象に「水にかかわる生活意識調査」を行った。そのなかに「家庭で行っている下水道への環境配慮」について尋ねている。その結果、1995年~2009年までの平均値に比べ、2017年の環境配慮が大きく低下していることがわかった。

なかでも「油を流しから流さない」人は49.9%であり、約半数の人が多かれ少なかれ油を排水口から流している可能性がある。川の汚染が下火になったり、暗渠化されたり、下水道が整備されるなどの理由で、生活排水についてあまり意識しないようになっているのかもしれない。ディスポーザーが普及し、ある程度は流しても大丈夫という安心感もあるのだろうか。

拭き取る?食べちゃう?

では、残り汁はどうしたらいいだろうか。カップ麺のメーカーのなかには、残り汁を固める粉末を製薬会社と共同開発した例もある。ただ、これは発売されているわけではない。なかには庭にまくという人がいるが、土壌が塩化してしまうだろう。

残り汁を下水道管内の温度(年間平均10度)の環境に2時間おいた状態(筆者撮影)

オーソドックスなやり方としては、古布や新聞に吸い取って、乾燥させてから燃えるゴミとして捨てるとよいだろう。食べて下水道の負荷を減らすという方法もある。大津市下水道局では「カレーの場合、最後はチャーハンにして琵琶湖を守ろう」と広報している。

鍋についたカレーを水で洗い流してしまうと油分を含んだ水が排水口から出ていく。そこで「ご飯を投入してチャーハンなどにすれば、直接下水に流すことなく、琵琶湖にやさしい!」と訴えている。カップ麺の残り汁についても、ご飯を入れて食べる、雑炊にするなどお腹に入れてしまうこともできる。

私は残り汁のなかにとき卵を入れ、レンジでチン(600w、2分30秒)して、茶碗蒸しを作ってみた。これはかなりいけた。今回は、醤油茶碗蒸しだったが、次回はシーフード茶碗蒸しを作ってみたい。

橋本 淳司 水ジャーナリスト

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はしもとじゅんじ / Junji Hashimoto

武蔵野大学客員教授。アクアスフィア・水教育研究所代表。Yahoo!ニュース個人オーサーワード2019。国内外の水問題と解決方法を取材。自治体・学校・企業・NPO・NGOと連携しながら、水リテラシーの普及活動(国や自治体への政策提言やサポート、子どもや市民を対象とする講演活動、啓発活動のプロデュース)を行う。近著に『67億人の水』(日本経済新聞出版社)、『日本の地下水が危ない』(幻冬舎新書)、『100年後の水を守る 水ジャーナリストの20年』(文研出版)、『水がなくなる日』(産業編集センター)など。

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