ラジオの「見える化」とは何か?

フィードバックの回路で、リスナーと共に番組を高める

タイムラインは居酒屋の「隣のテーブル」?

 音声メディアであるラジオをSNSを使って可視化することで番組のプレゼンスを高める、という話を前回は書いた。しかし、可視化するのは番組の側だけではない。SNSはリスナーの側をも可視化するのだ。それが僕の番組作りにも大きな影響を与えている。

SNSの普及でリスナーの反応がリアルタイム、かつオープンな形でチェックできるようになった。僕自身も放送中、ツイッターに寄せられる感想や意見を追いながら、番組進行の参考にすることは少なくない。リスナーのツイートをピックアップして番組で話題にすることもある。

そんなツイッターのタイムラインを、僕の場合は居酒屋の「隣のテーブル」のようなものだと考えている。隣で面白い話をしていれば聞き耳を立てたり、気になったときは口を挟んでみたりもする、そんな感覚だ。

メールやファクスは番組宛に出すものだが、ツイートはほかのリスナーに向けたものだったり、独り言だったりする。それは、あくまでもリスナー主体の隣のテーブルで話されていることなのであって、番組と完全に一体化した一つのテーブルでの話ではない。程よい距離感が重要だ。

この隣のテーブルは、限られた人数とリソースで運営しなければならないラジオ番組にとって、頼れる存在にもなりうる。たとえば僕がプロデューサーを務めている「荻上チキ・Session‐22」では、毎晩さまざまなニュースを特集している。スタッフはその都度、必死に勉強するが、つねに手探りで進めているというのが正直なところだ。

一方、ツイッターのタイムラインには、その日のテーマに詳しいリスナーがいたり、テーマを聞きつけた専門家や当事者が現れたりもする。もちろん裏を取る必要はあるが、こうした人たちの指摘は本当に参考になる。彼らは、放送時間内では伝えきれないレベルの情報を補足してくれることもあるのだ。

次ページ後追いをしているだけでは面白いものにならない
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